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疲れ 〜漢方の教科書〜


\体質を知ってよくしよう/
疲れ

「疲れ」は身体のサイン。ココロやカラダが「休み」を欲している証拠です。

疲れをいやすことはすなわち未病のケア。
タイプ別の養生方法を学びましょう。


 

疲れは身体のサイン

疲労感や倦怠感には、大きく分けて、肉体的な疲れと精神的な疲れの二つがあります。

肉体的疲労は、運動や過労など、身体を酷使したことによる肉体的ストレスが原因で、精神的疲労は、緊張やプレッシャー、人間関係などによる精神的ストレスが原因です。この他、夏の暑さや冬の寒さなど、環境も疲れの原因になります。

「疲れ」は身体のサイン。ココロやカラダが「休み」を欲している証拠です。気合いや根性で乗り切るには限界があります。しっかり休息をとって、心身の元気を回復させましょう。

 

 

不足と停滞、どちらのタイプ?

漢方で慢性疲労は、身体に必要なものが足りない「不足タイプ」と、巡りが悪い「停滞タイプ」の大きく二つに分かれます。不足タイプは、いわゆる滋養強壮が必要ですが、停滞タイプにとっては逆効果になることも。停滞タイプは巡らせ、余分なものを排出することが先です。

疲労は一時的で、一晩寝れば回復するようであれば問題はないですが、何ヶ月、何年と続くもの、年齢によるもの、ココロの疲れなどは、放っておくと、体調の悪化や思わぬ病気を招くこともあります。

まずは、生活習慣を見直し、未病のうちにケアをして、心身を整えておきましょう。

 


 

疲れのタイプ別養生

1,パワー不足タイプ

【気虚】
気の不足によって引き起こされる

チェック

□疲労感や倦怠感を強く感じる
□食欲不振
□軟便、下痢傾向
□息切れしやすい
□カゼを引きやすい

ポイント

身体の原動力である“気”が不足しているため、疲労が回復しにくく、慢性化しやすい状態。
呼吸によって外から“気”を取り込む“肺”が弱ると、カゼをひきやすく、免疫力が落ちやすくなります。
また、食事から“気”を吸収する“脾”が弱ると、胃腸の働きが弱く、食欲不振や少食、軟便・下痢などが現れます。
過労を避け、休息をしっかりとるようにしましょう。

養生

・朝起きたら白湯を飲み、内臓を温めましょう(白湯は沸騰後20分沸かすとさらに美味しく飲めます)
・疲れている時やカゼ気味の際は、無理に滋養のあるものを食べようとせず、お粥やスープなど消化の良いものを少しずつ摂りましょう

おすすめ食養生

【肺を強化するもの】…きのこ、山芋、れんこん、百合根、白きくらげ、梨、蜂蜜、ねぎ、生姜、クコの実
【脾を強化するもの】…鶏肉、山芋、ジャガイモ、いんげん豆、大豆、しそ、りんご、なつめ

 

2,血不足タイプ

【血虚】
血の不足によって引き起こされる
チェック

□不安感が強い
□不眠、多夢
□動悸、不整脈がある
□月経量が少ない、月経が遅れる
□白髪、抜け毛が多い


ポイント

身体の栄養分として全身を巡る“血”は、ココロの安定や精神活動に欠かせないもの。
血の循環や精神活動を担う五臓の“心血”が不足すると、ココロが落ち着かず、不安感や不眠、動悸息切れの症状が現れやすくなります。
また、血の貯蔵、情緒や月経血と関係の深い“肝血”が不足すると、イライラや集中力の低下、爪が割れやすい、月経血の減少が現れやすくなります。夜は早めに寝て消耗を防ぎましょう。


養生

・寝る直前までテレビやスマホを見るのは避けましょう
・夜は早めに寝ましょう(理想は23時、遅くても0時までに)


おすすめ食養生

【心を養うもの】…百合根、蓮の実、小麦、らっきょう、ハツ、牡蠣、クランベリー、ハイビスカス、竜眼
【肝を養うもの】…レバー、しじみ、うなぎ、鮭、黒きくらげ、黒酢、なつめ、クコの実

 

3,老化タイプ

【腎虚】
加齢・慢性疾患によって引き起こされる
チェック

□足腰のだるさを感じる
□腰や膝に痛みがある
□下半身が冷えやすい
□頻尿や尿もれなどの尿トラブルがある
□耳鳴りや聴力の低下がある

ポイント

身体の陰陽の根源で、生命力の源である“腎”が弱った状態。
五臓の“腎”は、加齢や慢性疾患による消耗などで自然と衰えていき、老化現象が現れやすくなります。
腎陰(潤い)が不足すると、白髪や抜け毛、肌の乾燥やほてりが現れやすくなり、腎陽(温める力)が不足すると、寒がりや冷え、尿もれや夜間尿が頻回になります。
足首、膝、腰などの特に下半身はしっかり温め、負担にならない程度に散歩やストレッチなどをして身体を動かすことも大切です。

養生

・足首や腰など、“くびれ”ている部分は、レッグウォーマーや腹巻で日頃から温めるようにしましょう
・膝に負担がかかるような運動はさけ、無理なく身体を適度に動かすようにしましょう

おすすめ食養生

【腎陰を養うもの】…ごま、黒豆、海藻、うなぎ、牡蠣、かつお、すっぽん、クコの実、桑の実
【腎陽を養うもの】…栗、くるみ、黒豆、にら、きのこ類、えび、羊肉

 

4,ストレスタイプ

【気滞】
肝の働きの低下によって引き起こされる
チェック

□日々、時間に追われて過ごすことが多い
□イライラやちょっとしたことでカッとなりやすい
□ガスやゲップが多い
□お腹の張りや便秘がある
□月経前に不調が多い

ポイント

気分や情緒を安定させる五臓の“肝”の働きが、ストレスによって停滞し、気が滞った状態。肉体的な疲労感より、精神的な疲労感を感じやすくなります。
責任や期限のある仕事を任されたり、人間関係の悩み、子育てや介護、看病に携わっている人に多く見られます。頑張りすぎて疲れてしまうため、他人のことは程々にして、自分のための時間を確保し、気分転換をしてストレス発散しましょう。

養生

・海山川など自然のあるところでリフレッシュしましょう
・ヨガや気功で、身体を伸ばし、呼吸を整えましょう

おすすめ食養生

そば、大根、シソ、ジャスミン茶、ミントティー、柑橘類、玫瑰花で気を巡らせましょう

 

 


まとめ

今の身体は、これまでの生活習慣によって作られたもの。慢性疲労の改善には、まず規則正しい生活を送ることが大切です。

◎夜は早めに寝て血の消耗を防ぐ
◎寝起きの白湯で体温を上げて代謝アップ
◎休日はリフレッシュとリラックスを
◎無理はせず、ほどよく身体を動かす

ここから体質改善をはじめましょう。

漢方の先生

小林香里

国際中医師・国際中医薬膳師・医薬品登録販売者
20代に過労とストレスで身体をこわしたことを契機に、北京中医薬大学日本校にて中医学と薬膳を学び始める。
薬日本堂(株)にて漢方相談、社員教育、スクール講師等、約13年を経て、2017年に独立。
夫婦で漢方薬店と鍼灸院を併設する漢方鍼灸「和氣香風かきこうふう」を東京自由が丘にオープン。
漢方相談をメインに、セミナー講師としても活動している。
著書:「温めもデトックスも いつもの飲み物にちょい足しするだけ!薬膳ドリンク」(薬日本堂監修/河出書房新社)
監修:「あなたにぴったりの漢方薬絵ずかん」(株式会社学研プラス)

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2000年以上前の古代中国で生まれた中医学。 それが日本に伝わり、
独自の発展を遂げた日本漢方、韓国においては韓方。
それぞれの国で伝統医学が存在しています。 歴史が長い分、
多くの理論や考え方が派生しています。

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