花粉症 ~漢方の教科書〜

\体質を知ってよくしよう/
花粉症
寒い冬が終わり、春は気温の上昇とともに植物が芽吹き、心が弾む人がいる一方で、花粉症の人にとっては一年で最も辛い季節。
でも辛いシーズンだけの対処では、花粉症の根本改善は難しいもの。
花粉症改善のポイントを学びましょう。
花粉症
花粉症は、自然界の気候変化である六気(風寒暑湿燥火)のうち、“風”が邪気として、花粉を連れて身体に入り込むことで起こる症状と考えます。この「風邪(ふうじゃ)」、身体のバリア機能が足りない・弱った人ほど侵入しやすく、症状も強く出る傾向にあります。
漢方での対処・今必要なのはどちら?
花粉症の対策には大きく分けて二つ。
1,今現れている症状を和らげる ・・・ 対症療法
2,風邪(ふうじゃ)が侵入しにくい身体を作る ・・・ 体質改善
対策としては、どちらも必要ですが、特にシーズン中は1で、「今辛い」症状の緩和が求められますね。
オフシーズンは2を意識した長期的な養生を心がけ、体質改善を目指すと良いでしょう。
花粉症のタイプ別養生
1,冷えタイプ
- 【風寒】
風寒邪よって引き起こされる
-
チェック
□くしゃみ
□透明で水っぽい鼻水が出る
□身体に冷えを感じるポイント
風寒邪の侵入で起こる「冷え」タイプの花粉症は、透明で水っぽい鼻水が出るのが特徴です。
カゼの症状と同じように、水っぽい咳や痰が多く出る他、身体の冷えや寒気を感じることもあります。養生
・冷えは厳禁
・首巻き、アームウォーマー、レッグウォーマーなど身体の“首”になる部分はしっかり温めましょうおすすめ食養生
シソ、ねぎ、生姜、シナモンで、身体を温め、風寒邪を追い払いましょう
2,熱ごもりタイプ
- 【風熱】
風熱邪によって引き起こされる - チェック
□黄色あるいは粘りのある鼻水や痰が出る
□鼻が詰まる
□目の充血や皮膚の痒みがある
ポイント
風熱邪の侵入で起こる「熱ごもり」タイプの花粉症は、鼻詰まりや目の痒みが出ることが特徴です。
養生
・辛いものに注意
・唐辛子やスパイスなど辛味の強いものは、刺激により悪化する可能性があるため控えましょう
おすすめ食養生
ミントティー、菊花茶、桑の葉茶な土で、炎症を鎮め、風熱邪を追い払いましょう
3,バリア力低下タイプ
- 【虚弱】
体力の低下によって引き起こされる - チェック
□カゼや流行病にかかりやすい、または治りにくい
□疲れやすい、倦怠感を感じる
□胃腸が弱いポイント
体力低下や過労から、身体のバリア力が低下し花粉症を発症するため、長期的な体質改善が必要です。
養生
・過労・心労・冷えに注意し、規則正しい生活を送りましょう
・睡眠はしっかりとることで、免疫力アップにつながりますおすすめ食養生
【カゼをひきやすい肺虚タイプ】・・・山芋、白キクラゲ、百合根、松の実
【胃腸が弱い脾虚タイプ】・・・山芋、かぼちゃ、さつまいも、キャベツ、インゲン豆、黒豆、椎茸
【老化による体力低下の腎虚タイプ】・・・山芋、キャベツ、ニラ、胡桃、卵
まとめ
花粉症シーズン中は、症状に合わせた対処で不調を緩和させ、オフシーズン中、いかに身体を健康にしておくかが、大事なポイントになります。
翌年の花粉症で症状を緩和させるためにも、まずは夜早く寝る、疲れやストレスはためない!を心がけ過ごしましょう。