牛乳を飲んでおけば、背は伸びる?!
「背を伸ばしたいなら、牛乳を飲みなさい」と言われたことがある方は多いと思います。本当に牛乳を飲めば、背は伸びるのでしょうか?答えは、牛乳だけを飲んでも背は伸びません。身長を伸ばすには、骨だけでなく、成長ホルモン、筋肉、肝臓など様々な器官が関係しています。これらの器官にしっかりと栄養がいきわたらないと、なかなか身長は伸びません。
身長を伸ばすために必要な栄養素
・エネルギー源:糖質
・筋肉の材料:タンパク質、鉄
・成長ホルモンの分泌:亜鉛
・骨の形成:カルシウム、マグネシウム、ビタミンD
こちらの7つの栄養素は最低でも必要になってきます。牛乳の栄養素を見てみると、カルシウムやタンパク質は豊富ですが、糖質、鉄、亜鉛、マグネシウム、ビタミンDなどの栄養素は少ないです。いくら牛乳を飲んでも身長が伸びない子は、そもそもエネルギー不足を起こしている可能性があります。
まずは炭水化物を食べよう!!
お子さんのごはん(米)の量は何gですか?
人間は日々エネルギーを使って生きています。動いていなくても、寝ている間もエネルギーを消費しています。消費したエネルギーは食べることで補います。エネルギーが不足していると身体自体を働かすことができないので、身長を伸ばすどころではありません。
簡単にエネルギーになる栄養素が糖質です。疲れた時、甘い物が食べたくなった経験はないですか?甘いお菓子をたくさん食べたがるお子さんは、エネルギー不足のサインを出しているかもしれません。エネルギー不足のサインが出ている場合は、まずは、そもそも3食の食事の際の、炭水化物の量はどれくらいなのか測定してみてください。
エネルギー源の糖質が不足していると、身体は筋肉を分解して、エネルギーを作ろうとするので、いくらタンパク質を食べたとしても筋肉や骨にならず、エネルギー源に使われてしまいます。
ですので、まずは、3食、炭水化物をしっかり食べましょう。炭水化物の比率は、全体の食事の50%くらいがオススメです。
成長期の子どもに必要なエネルギー量は?
成長期と言われている10歳から15歳のお子さんに必要なエネルギー量は、男子:約2200kcal~2600kcal、女子:約2100kcal~2400kcalです(運動をしている子はさらに必要エネルギー量は上がります)。
この半分の約1000kcalは炭水化物が必要です。ごはん200gで336kcalなので、3食食べると1008kcalになります。小食で1食の食事で200g食べられない子は、分食して、少しずつ増やしていっても良いですし、ごはんは150gにして、イモ類をおかずとして食べても良いです。毎食ごはんを食べる事が難しい子は、胃腸や腸内環境の様子も見ながら、パンや餅、うどん、パスタなどを食べる日があっても良いと思います。まずは、胃腸の調子を見ながら、少しずつエネルギーを増やしていきましょう。
残りの1000kcalはタンパク質、鉄、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDを多く含む食材を食べよう!!
丼ものやパスタなど炭水化物1品になってしまうと、その他の栄養素が不足してくるので、定食を意識した献立を作ってみてください。
・魚1切れ(焼き魚、煮魚、フライなど)または肉料理100g(焼き鳥、生姜焼き、唐揚げなど)
・サラダや具だくさん味噌汁(かつおや煮干しで出汁をとり、野菜や海藻類をたっぷり入れる)
・納豆や卵焼き、高野豆腐や厚揚げなど
・カボチャやジャガイモ、サツマイモ料理
牛乳を飲んで身長が伸びる子はどんな子?
上記に挙げたような食事をとっているけど、カルシウムの量が足りておらず、身長が伸びていない子は、牛乳を飲んだら、身長が伸びるかもしれません。食事量が少なかったなと感じた方は、牛乳でお腹がいっぱいになり、食事が食べられなくなる子もいるので、牛乳の量を増やす前に、食事内容と量を見直してみてくださいね。
牛乳よりオススメなカルシウムが豊富な食材は?
カルシウムが豊富に含まれており、尚且つタンパク質やマグネシウムを多く含む食材は小魚です!!小魚をふりかけとしてかけて食べても良いですし、小魚とアーモンドがミックスされたおやつをちょい足しとして食べるのもオススメです。
成長に必要な栄養素は、メンタルに関わる栄養素でもありますので、しっかり食べていくと、身長が伸びるだけでなく、心の面も穏やかになっていきますよ。