夏が終わってもなんとなく不調が続く「秋バテ」とは?

夏が終わってもなんとなく不調が続く「秋バテ」とは?

管理栄養士・国際中医薬膳師の趙みどりです

「秋バテ」という言葉をご存じでしょうか?暑い夏が終わりやっと涼しくなるかと思ったらなんだか体がだるい、食欲がない・・なんて経験はありませんか?

もしかしたらそれは「秋バテ」かもしれません。

「秋バテ」とは

秋は1日の中でも気温差が大きくなります。

  1. 夏の間の熱帯夜による睡眠不足
  2. 冷房にあたりすぎて冷えが蓄積されたダメージ
  3. 冷たい物の飲食のしすぎ

などによる夏の疲れがとりきれないまま、秋の気温の変化に体がついていかないことで起こる体調不良のことを「秋バテ」と言うそうです。

主な症状はだるい、食欲がない、頭痛、肩がこる、眠れない・・・など人によってさまざま。日々の養生で、気温の変化に対応して不調を減らしたいですね。

秋バテの対策

秋バテの対策には基本的な生活習慣の見直しが必要です。

規則正しい食生活

朝食を抜く、パンとコーヒーだけ、などの簡単な食事にしていませんか?
1日3食、毎食主食、主菜、副菜そろえた食事をしましょう。朝はトーストに目玉焼きをのせ、ヨーグルト、バナナなどの手軽に食べられるものを追加してたんぱく質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取しましょう。

適度な運動

ウォーキングやヨガ、ストレッチなど取り組みやすいことから始めてみましょう。通勤時、会社帰りに1駅歩く、夕食後に散歩に出かける、などまずは何か1つ続けてみましょう。

入浴

夏の間はシャワー浴で済ませていた方も、季節の変わり目には38~40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりつかって疲れをとりましょう。お気に入りのバスソルトや入浴剤、アロマオイルなどがあればリラックスしやすいですね。

質の良い睡眠

寝る少し前にはSNSや動画などから離れ、軽くストレッチしてから横になりましょう。お部屋の明かりも間接照明などリラックスしやすいものに変えることもおすすめです。

秋バテの薬膳

乾燥から守る

秋は「乾燥」の季節です。陽消陰長といい徐々に陰の気が増していきます。乾燥した邪気を燥邪といいます。燥邪は2つに分類され、秋の始めは残暑が残り、「温燥」、晩秋になると冬の寒気が混ざって「涼燥」といいます。

肺は乾燥を嫌いますが「燥邪」は肺を傷つけ、咳、鼻水、のどの痛みなどを引き起こします。肺を潤す食物を摂りましょう

山芋、きくらげ、白きくらげ、ズッキーニ、ゆり根、いちじく、梨など

<薬膳メモ>
●白きくらげ
性味は平/甘淡。肺・脾・腎に帰経し滋陰、潤肺の働きをします
●ゴマ油
性味は涼/甘。大腸に帰経し皮膚を潤し血脈を通す働きをします

白きくらげとゴマ油を使用したお粥は、秋の乾燥から肺を守り、皮膚を潤し腸活にもよいので秋の美肌にぴったりの薬膳です。

健脾(胃腸の健康を保ち気を補う)

少し難しいのですが中医学では土生金といい土(脾)は金(肺)を生じる、つまり肺を養生するために脾を健やかにたもつ必要があると考えられています。

きび、赤米、もち米、納豆、アスパラガス、かぶ、きくらげなど

脾を健やかに保つ食材は主に穀類に多いため、ダイエットなどでごはん抜きはおすすめしません。軽く1膳は食べるようにしましょう。

秋バテを感じたらこれを

龍眼肉

ムクロジ科リュウガンの果肉

温/甘 帰経:心脾 補益心脾、養血安神

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竜眼肉 ライチの仲間の龍眼肉。 お味もライチに近く、甘みが凝縮してあり1粒でも満足感のあるドライフルーツ。 ミネラルを多…

優しい甘みの龍眼肉は脾を健やかに保ち、夏の疲れを滋養してくれます。気を補い、消化器系を強くすることで肺の機能も整い、秋におすすめです。

くこの実

平/甘 帰経:肝腎肺 滋補肝腎、明目、潤肺

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寧夏産の有機栽培(農薬、化学肥料不使用)くこの実甘みが特徴の大粒くこの実です。くこの生産地といえば、寧夏!寧夏でも収穫シ…

目に良いとされるくこの実。実は肺を潤す効果もあります。パソコン作業で疲れた時や、乾燥が気になるときにおすすめです。

秋バテにおすすめのブレンドティー[みかんの皮、乾姜、なつめ]

夏の間クーラーで冷えすぎ、消化機能が落ちている方に・・。みかんの皮、乾姜、なつめのブレンドがおすすめです。

みかんの皮
涼/甘・酸 帰経:肺胃 開胃理気、止渇潤肺

乾姜
温/辛 帰経:肺胃脾

なつめ
平/甘 帰経:心脾胃 補中益気、養血安神

 

参考
一般社団法人日本中医食養学会 中医薬膳
Medicommi
すこやかな身体をつくる薬膳食材大全 三松堂株式会社 2020.11.5

食良品店FOOD LAB

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