お肉選びも薬膳の考え方で!
Kampo labの竹迫朋美です。働く女性、子育て中のママ、更年期女子、家族のために、自分のために!いろいろな目線で【暮らしに役立つカンタン養生法】をお伝えします。
お肉の効能
さて、みなさんはお肉を買うとき、どのように選んでいますか?メニューに合わせて選んだり、その日の気分だったり、好みで選んだり。今日の特売だったから!っていうときもありますよね。
たくさんの種類があるお肉。野菜にそれぞれ効能があるのと同じように、お肉にもそれぞれからだにはたらきかける効能があります。
豚肉:平 滋陰潤燥、益気
鶏肉:温 温中補脾、益気養血、補腎益精
羊肉:温 益気補虚、温中暖下
馬肉:寒 強壮筋骨、除熱気
鴨肉:涼 滋陰養胃、利水消腫、健脾補虚
難しそうに漢字を並べましたが、漢字のイメージ通りの解釈で大丈夫!
牛肉は、胃腸の働きを補って、気血を補い、足腰の筋力を増強する働き。疲労を感じていたり、パワーをつけたいときに。
豚肉は、からだに潤いを与え、気を補う働き。お肌の乾燥が気になるときは豚肉!豚足ならコラーゲンたっぷりで、美肌効果を期待。
鶏肉は、気を補って、おなかを温める作用があります。食欲がないときや産後のママにお勧めです!
羊肉は、足腰の冷えを感じた時、虚弱体質の人にお勧め。
馬肉は、滋養強壮作用が高く、筋肉の疲れに。
鴨肉は、胃腸の働きを高め、水分代謝を促してくれるので、むくみを感じているときに。
部位によってもそれぞれからだに与える得意分野がありますので、臨機応変に選んでください。
薬膳のベクトル「五性」
薬膳の考えの一つとして、食材が持つ、体を温めたり冷やしたりする性質があり、これを「五性」といいます。
「熱」「温」「平」「涼」「寒」の5つに分類され、熱・温は、からだを温め、気血の巡りを促進する働きがあります。
涼・寒は、からだの熱を冷ましたり、体を潤す作用があります。また、興奮しているときや、イライラしているときなどの精神を安定させるという作用もあります。
平は、温めることも冷やすこともしない性質です。平性の食材は、どんな体質の人がどの季節に食べてもそれほど影響を与えないと考えられます。毎日食べてもからだに負担がなく、米などの主食となるものが多く分類されます。
からだが冷えている人は、寒性・涼性の食材の食べすぎに注意が必要ですし、からだに熱がこもっているときや発熱時、夏の暑い時期には熱性・温性の食材の取りすぎに注意が必要です。
季節に合わせて食材を選ぶのはもちろんよいと考えられますが、冬の暖房が効きすぎた部屋で1日過ごし、からだに熱がこもっていたり、夏の暑い時でもエアコンでからだが冷えきってしまったり、個人個人で感じ方や、からだが受け取る影響は違っていますので、「今日のワタシはどんな状態?」とご自身の体調に耳を傾け、温めたほうがよいのか、クールダウンさせたほうがよいのかを考えながら食材を選ばれてはいかがでしょうか。
アレンジ自在!ベーシックな万能スープ
今回は、おなかをやさしく温め、気を補ってくれる「鶏肉」を使って、元気をチャージできる万能スープをご紹介させていただきます。
塩麴 大さじ2
干し椎茸 3つ
昆布 5㎝のもの2枚
長ねぎ 1本
にんにく 2片
生姜 1片
酒 50ml
仕上げ用 塩・こしょう
【プラスαの薬膳素材】
蒸高麗人参 大さじ1
棗 3つ
枸杞 大さじ1
①下準備
鶏手羽元は水洗いし、しっかりと水けをふき取り骨に沿って切り込みを入れ、保存袋に入れて塩麴を加えてもみこんで、冷蔵庫で一晩、または2時間以上おく。干し椎茸を水にもどしておく。
②長ねぎは5㎝の長さに切る。生姜は皮ごと薄切りにする。にんにくも薄切りにする。もどした干し椎茸も薄切りに(戻し汁はとっておく)。
③鍋に①②と椎茸のもどし汁・酒と合わせて1000mlになるよう水を入れ、中火にかける。ここに薬膳食材の蒸し高麗人参、棗も入れる。煮立ったらアクをとりのぞき、弱火にして30分~40分煮込む。
枸杞の実を入れ、塩・こしょうで味を調える。
薬膳アレンジを楽しむポイント
鶏肉は育ち盛りのお子様や、気血が不足している方、病後や産後にもおすすめの食材です。発酵食品である塩麴に漬け込んでおくことで、お肉がほろほろとやわらかくなり、消化しやすくなるうえ、胃腸の働きを整えてくれます。
今回ご紹介したスープは味付けがシンプルなものなので、アレンジできることもおすすめのポイントです。
潤いがほしいときは「白きくらげ」をプラス。水分代謝をよくしたいときは、「はとむぎ」をプラス。巡りをよくしたいときは、「セロリ」や「パクチー」をプラス。
食べたものでからだはつくられているので、食材選びはとても大切です。ご自身やご家族のからだの「今の状態」を把握し、食材がからだにどんな働きかけをするのかを考えて選ばれてはいかがでしょうか。
身近な食材で、目的をもって調理する。それだけで立派な「薬膳」です。毎日の生活に「薬膳」を取り入れてみませんか?
【今回使用したおすすめの薬膳素材はこちら】
“Yakuzen Series 蒸し高麗人”
“Yakuzen Series 満ちなつめ”
“Yakuzen Series くこの実”