鍼灸師の野間俊吾です。
忙しい現代人。病院へ行くほどではないけど、なんだか調子悪い。ココロとカラダは不調でも、我慢することが多いですよね。我慢して辛い…もうどうしようもない…そんなとき!セルフケアを知っていると、気持ちはとても楽になりますよ。
今回は、ご自宅で簡単にできる カラダのツボを使ったセルフケア を紹介していきます!ぜひご覧ください。
Contents
夏バテはなぜ起こるの?
夏。カラダはダルくて、食欲もない。夜も寝苦しくて、気持ちも無気力に…みなさん一度は経験したことがあるはずの夏バテ。
そもそも夏バテはなぜ起こるのか?その原因はいくつかありますが、日本の夏の特徴でもある 高温多湿の環境 が大きな原因です。
暑さにより体温を下げるには、血管を広げ、体表側へ流れる血液量を増やす必要があります。しかし、体表側への血液量が増えた分、胃腸などの内臓への血液量が減少し、消化機能を低下させてしまうのです。これが食欲が落ちる原因のひとつとなります。
食欲がないからといって、冷たい飲み物やアイスクリームばかり摂ってしまうと、胃腸が冷えて、胃腸への血液量はさらに減少します。
食欲が落ちる → エネルギーが作られない → 元気が出ない → 冷たいものを摂る → 食欲が落ちる → エネルギーが作られない…これぞ夏バテへの悪循環。
日本人は、野菜、魚、米を中心とした消化しやすい食事文化だったこともあり、もともと消化機能が低い体質の方がとても多いです。
夏の暑さで食事の量が減ることや、食事を摂っても消化吸収がうまくできないことで、全身ダルくて元気が出なくなる。いわゆる夏バテとなっていきます。
日本の夏の高温多湿な環境下と日本人の胃腸の弱さが相まって起こる夏バテ。夏は楽しいイベントばかりなのに、夏バテは日本人の天敵ですよね。
こんな体質の人におすすめ
□ 食欲がない
□ 胃腸が弱い
□ 汗をかきやすい
□ お通じは緩い
□ 無気力になりやすい
□ 声が小さい、話すのが億劫
カラダのエネルギーを作りにくいうえ、エネルギーを消耗しやすい気虚タイプ。上記の項目以外にも、頭痛、めまい、肩こり、息切れ、食後の眠気、冷え などの症状も起こりやすいです。
気虚タイプの方は、いわゆる気(カラダのエネルギー)が虚(少ない状態)にある方をいいます。食事を摂っても、消化吸収がうまくいかず、エネルギーの産生効率が悪かったり、普段のオーバーワークや気遣いによりエネルギーを消耗しやすい体質が特徴です。
激しい暑さが続く夏は、胃腸が弱りやすく、エネルギーの消費もとても大きいです。エネルギーは普段の食事から胃腸の機能を使って作られます。気虚タイプの方は胃腸を整えて、エネルギーをしっかり作ることが大切ですね。
胃腸を整えるツボ 「 足三里(アシサンリ)」
今回、紹介するのは、 足三里 アシサンリ と呼ばれる足のツボです。胃腸を整えて夏バテを改善するのにおすすめのツボ!
足三里と胃腸の関係については、さまざまな研究が行われています。ある研究結果では、足三里を刺激することで、以下の内容が報告されています。
・胃の動きを高め、食べ物の腸への移動が促進される
・胃酸の分泌が増加し、食事の吸収効率を高める
つまり、足三里は、胃腸の機能を改善し、効率よくエネルギーを作るためにはとてもおすすめです。また、”奥の細道”で有名な松尾芭蕉。江戸時代、彼は日本中を旅するのに、その健康管理として自身の足三里を刺激していたと言われています。胃腸を整えながら、疲労も回復する。松尾芭蕉が長く旅を続けられた秘訣は、足三里というツボにあったんですね。
足三里の探し方
① 膝下の外側のくぼみ と 足首 を結んだライン上
② 膝下の外側のくぼみから 指4本分 足首へむかったところ
※ ぜひ動画をご覧ください
自宅で簡単!お灸セルフケア
今回、使用しているお灸は、「煙のでないお灸 せんねん灸の奇跡」レギュラータイプ。煙が出ないので、匂いもそこまで気にならず、ご自宅でも使いやすいです。
他にも、火を使わないタイプのお灸など、さまざまなセルフケア用のお灸があります。インターネットやドラッグストアでご購入いただけるので、ぜひやってみてください。
ツボ押しもOK!
手元にお灸がない方はツボ押しもおすすめです。
3秒かけて押して、3秒とどめて、3秒かけて抜いていく。
ツボの位置が分かりにくい場合は、周辺を何箇所か押してみて一番痛いところを探してみてください。一定のリズムで、呼吸に合わせてやってみましょう!特に、しっかり吐くことを意識すると良いですね。
最後に
今回は夏バテから復活するための胃腸を整えるセルフケアを紹介いたしました。
自然界の流れに順応するように、季節にあった養生をしていくことが大切です。高温多湿な夏の時期は、胃腸を整えて、効率良くカラダのエネルギーを作っていきましょう。
冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎや、エアコンの風などでカラダの冷やしすぎには十分に気をつける必要があります。
胃腸からカラダを元気にしていくことが暑い夏をもっと楽しむコツですね!
一日の終わりに ホッ と一息つきながら、簡単にできるセルフケアを是非やってみてください。
今日も一日お疲れ様でした。