授乳期から大人まで、その対策方法とは
Contents
お口が開いているとNGな理由
口を開けたまま、鼻呼吸してみてください。かなり意識しないと鼻で呼吸できません。では今度は、口を閉じて鼻呼吸してみてください。意識しなくても簡単に鼻呼吸ができますね。お口が開いているということは、無意識に口呼吸をすることを促しているのです。さらに最近では、マスク生活が主流になり、息苦しさから口呼吸になりやすいとされています。
口呼吸による悪影響
風邪を引きやすくなる
鼻呼吸をすると、まず鼻毛や鼻の粘膜が空気と触れ合うので、これらがフィルターの役目となり、外気中の細菌やウイルスが体内に侵入しにくくなります。しかし、口呼吸だと鼻のようなフィルター機能がないので、直接細菌やウイルスを吸い込むこととなり、喉の炎症や発熱、咳など風邪のリスクが高まります。
虫歯や歯周病の原因に
口呼吸をしていると、唾液の蒸発を促進してしまい、口が乾燥しやすくなります。口腔内の唾液が少ない環境が続いてしまうと、唾液の殺菌作用を妨げてしまうので、虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯並びが悪くなる
本来、舌は上顎の先端に触れる「スポットポジション」という位置に収まっていますが、口が常に開いていると、舌の位置が上顎の先端ではなく、下にあること(低位舌)が多くなってしまいます。そうすると、口の機能が未発達の子どもは上顎の成長を妨げてしまう原因になります。その結果、歯が並ぶスペースが狭くなり、歯並びが悪くなってしまいます。
スポットポジション↓(この位置が理想です。)
低位舌の図↓(この位置は良くないです。)
4.発音が悪くなる
口呼吸が原因で、歯並びが悪くなるだけでなく、顔の筋力や舌の筋力も緩んでいるので、舌を動かせる範囲が狭くなってしまいます。そうすると、うまく舌が使えず、発音や滑舌が悪くなってしまいます。特に「サ行」「タ行」「ラ行」に影響が出やすくなります。
鼻呼吸の方法
口周りや舌の筋力が弱いと口が自然と開いてしまい、口呼吸になってしまいます。ですので、口周りや舌の筋力をつけることが大切になります。
授乳時から特訓を
赤ちゃんは、唇の筋肉を使って乳首を加えて、舌の筋肉や顎周りの筋肉を使って乳首からお乳を出して吸っています。毎日1回20分の授乳を約7~8回しているので、毎日約140分~160分口周りの筋トレをしているのです。乳首の先しか加えていない浅飲みになっていると、上手く筋トレができなくなります。ですので、お母さんは赤ちゃんが乳輪まで深く加えれるように正しい姿勢で授乳をすることが大切です。
授乳の正しい姿勢
赤ちゃんの顔とお腹をお母さんと密着させて、赤ちゃんの頭、背中、お尻の軸がねじれないようにしてください。高さが合わない場合は、授乳クッションやバスタオルで調節しましょう。
日々の抱っこも気をつけて
抱っこの仕方も重要です。頭が後ろに沿った状態で抱っこしていると、自然に口が開きやすい状態になってしまいます。抱っこ紐で抱っこしながら寝ている子の多くが、首が後ろに沿っていることが多いので、首を支えてあげてください。また、新生児期からお座りができるまでは、Cカーブ抱っこ(まんまる抱っこ)がオススメです。胎児姿勢のC型でまあるくふんわり優しく抱っこしてみてください。頭が後ろにダラーンとならないので、自然に口が閉じます。
お口ポカーンは姿勢も影響
猫背になると、口を開く筋肉が優位になるので、自然に口呼吸しやすくなります。また胸が狭くなるので、たくさん酸素を吸おうと口呼吸になります。
正しい姿勢は足元から
猫背の人は、重心がかかとにあり、しっかりと足指を使われていない事がわかっています。「足指」「足指の付け根」「かかと」の3点に均等に重心がかかるように意識しましょう。サンダルやヒールなどは、足指に力が入りにくくなるので、子どものうちは避けておいたほうが良いです。足に合った靴選びも大切です。
食事中も床に足をつけよう!
足が床についていないと姿勢も猫背になりやすいですし、食べ物を噛む力が弱くなります。幼児期はまだ顎の筋肉が発達しきっていないので、足がついていないと硬い物をかんだり、前歯で噛みちぎったりする力が鍛えられないです。噛む力が弱いと、顎の成長が妨げられ、その結果歯並びも悪くなってしまいます。足台のついた椅子や足台を使って足がつくようにし、椅子の背もたれにクッションを置いて、正しい姿勢になるようにしてあげてください。
口の機能を育てる遊び
・吹き戻し、風車、笛などを吹いて、遊びながら唇や口周りの筋肉を鍛えましょう。
・親子で顔じゃんけんもオススメです。(顔:グーが口をすぼめる、チョキがチューの口、パーが口を大きく開く)
・舌全体を上あごに吸いつけ、ゆっくり口をあけて舌小帯(ぜつしょうたい)を伸ばし”ポン”と舌打ちをするポッピングを1日30回する習慣をつけましょう。
・日常的に咀嚼力がアップするガムトレーニングもオススメです。1日2回程度、20分噛み続けるのがお勧めです。
唾液の分泌も促進してくれるので、虫歯予防にもなります。左右どちらかで偏らないように、左右両方をきちんと使って噛むようにしましょう。
*ガムはノンシュガーのガムにしましょう。(ノンシュガーで歯を強化するフッ素も配合されており味も長持ちする歯科専売のガムはオススメです。)
関連記事
子どもの歯を元気に育てるために 妊娠前からしておきたいこと! ~口腔内ケア編~ ステラデンタルクリニックに所属している薬剤師・国際中医臨床薬膳師の豊田暖佳です。 妊娠すると、赤ちゃんのためにより一層、自分の身体に気をつける方が多いと[…]