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日本の夏は高温多湿
暑さに負けると影響を受けやすいのは『心』
暑い日が続くと、熱(陽気)が体にこもりやすくなります。体で陽気が多いところは、『心』です。東洋医学的な心の働きとは、血をポンプ作用によって全身に送り出す働きと、物事を考える・判断する・行動するなどの精神的な活動を統括する働きがあります。熱の発散を上手くできないと、下記のように身体的症状だけでなく、精神的な症状も起こりやすくなります。
・動悸がする
・モヤモヤした気持ちになりやすくなる
・色々考えて睡眠の質が下がる
心のオススメ養生法
・適度な運動でエネルギーを発散して、適度に汗をかく
・いつも以上にゆとりをもったスケジュールにする(焦ったり、慌てることを避ける)
・余分な熱を冷ます『苦味』のある食材(ゴーヤやセロリ、小魚の内臓など)を食べる
・リラックスする時間を作る
・十分な睡眠時間を確保し、翌日まで疲れを持ち越さない
気の巡りを良くして快適な睡眠を! ステラデンタルクリニックに所属している薬剤師・国際中医臨床薬膳師の豊田暖佳です。 なんだか寝つきが悪い。途中で目が覚める。寝ても寝ても眠い。など睡眠のお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。 […]
湿邪の影響も侮れない!
そして、日本の夏はただ暑いだけでなく、湿度も高いです。体に『湿邪(しつじゃ)』が溜まりやすくなります。水分の排泄が悪く、体内に余分な水分を抱え込んでしまいます。湿邪を上手く取り除けないと、下記のような症状が起こりやすくなります。
・身体が重だるい
・やる気がでない
・食欲がない
・お腹がゴロゴロ鳴る
・軟便や下痢になる
湿邪対策
・喉が渇いてから冷たい飲み物を一気に飲むのではなく、常温以上の水分をこまめに飲む
・適度な運動でエネルギーを発散して、適度に汗をかく
・夏こそ湯船に浸かり、汗を出す練習をする
・湿気をため込む食材は避ける
・体の水はけをよくする利水・利尿作用のある食材を食べる
・脂っこい物
・納豆などのネットリした物
・冷たい食べ物や飲み物
・パンやパスタなどの小麦製品
・乳製品
など
・きゅうり、スイカ、メロンなどのウリ類
・みょうが、パクチー、大葉などの香味野菜
・とうもろこし
・豚レバー
など
冷たいものばかり食べているとどうなるの?
内臓が冷えて胃腸の働きが低下する?!
暑い日がつづくと、そうめんや冷麺、サラダ、アイスなど冷たい食事が増える方も多いと思います。しかし、冷たいものばかり食べていると、内臓が冷えてしまい、消化吸収能力が低下してしまいます。胃腸の働きが低下してしまうと、湿邪をさばけなくなり、食欲が低下し、身体も重く感じ、下痢や軟便などのいわゆる夏バテ症状に繋がっていきます。ですので、冷たい物ばかり食べるのではなく、夏こそ、胃腸を元気にする食材や体を自然に冷ましてくれる食材などを取り入れてみてください。冷ます食材は、冷やして食べるのではなく、炒めたり、味噌汁の具材に入れてみたりして、温めて食べるとより良いです。また、よく噛んで食べることや食前に梅干しやレモン汁などの酸味のあるものを先に食べてから食事をすると、胃酸の分泌を助けてくれるのでオススメです。
・長芋、山芋
・アジ、サバ
・鶏肉
など
・きゅうり
・冬瓜
・れんこん
・おかひじき
など
麺類やアイスなどの糖質が増えると返って体がだるくなる?!
糖質を代謝するのに必要な栄養素は、ビタミンB1です。ビタミンB1は疲労回復の働きがありますが、糖質を食べ過ぎていると、糖代謝のためにビタミンB1が大量に使われてしまい、疲労回復に使えるビタミンB1が減ってしまいます。その状態が続くと、疲れがとれずだるくなってしまいます。ですので、暑い日こそ麺類で済ませるのではなく、豚肉(ヒレ)やウナギ、ごま、大豆などのビタミンB1を多く含んだ食材を食べることもオススメです。
すでに夏バテがひどくしんどい方は、漢方薬もオススメです。体質によって選択される漢方薬は異なりますので、漢方薬の専門家に相談してみてください。
・夏やせ、ほてり、だるさがある方にオススメ→清暑益気湯(せいしょえっきとう)
・お腹がゴロゴロなる下痢の方にオススメ→半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)