フランスのハーブ活用事情やハーブ薬局をご紹介!
皆さんは日頃から、ハーブで養生していますか?
ハーブと聞くと、どう活用したらいいのかわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、植物療法の本場フランスでのハーブ活用事情や最新の動向をご紹介します!
”フィトテラピー”植物療法とは?
フィト(Phyto)は、古代ギリシャ語で「植物」全般を意味し、テラピーの語源とされるセラピア(Therapeia)は、「治療」「療法」の意味で、このふたつの言葉の複合語が「フィトテラピー=植物療法」です。
薬草(ハーブ)をお茶にして飲む、チンキ剤や浸出油を用いる、植物のもつ香りや精油を活用するアロマセラピーなど、植物の力を活用して心とからだの健康をサポートする伝承療法のひとつです。
(引用:(一般社団法人)日本フィトセラピー協会HPより https://japhy.or.jp/about/)
街のハーブ薬局” Herboristerie(エルボリストリー)”
フランスでは調剤薬局やドラッグストアと同様に、どの街にも”エルボリストリー”というハーブ薬局があります。
こちらはパリ最古のエルボリストリーと言われているハーブ薬局” Herboristerie d’Hippocrate”。週2日しか開いていないものの、常にお客さんが相談しに訪れていました。
こちらはパリで2店舗展開している” L’HERBORISTERIE DE PARIS”。
他にもたくさんのハーブ薬局があり、お子さんのために相談に来ているマダムやご自身のちょっとした不調のケアに利用しているムッシューなど、お客さんはさまざま。老若男女問わずたくさんの人が利用しているようでした。
エルボリストリーでは、このような元々ブレンドして用意してある”ティザンヌ”というハーブティーやオーガニック化粧品・サプリメントなどはもちろん、その人の悩みや不調をカウンセリングしてその場でハーブを調合してオリジナルのティザンヌも作ってくれます。
空間を浄化するセージやパロ・サントなどの雑貨類が置いてあることも。
以前は保険適用だったようですが、保険適用外となった現在でも日々の体調ケアにハーブ薬局を活用していました。若い世代の人たちにも自然療法ブームが到来しているようで、それぞれがお気に入りの「かかりつけハーブ薬局」をもっているようです。
フランス人の生活の中でのハーブ
ハーブ薬局を活用するのはもちろんですが、フランスではスーパーでもたくさんの乾燥ハーブやティザンヌが販売されています。(ブーケガルニは、日本で購入すると粉上のパックのものですが、フランスでは本当にハーブのブーケとして売られています!)
料理に活用するのはもちろん、夜ご飯が遅くなってしまった時は消化を促すタイムティーを食後に飲んだり、リラックスしたい時にカモミールを少し煮だして飲んだりと、自身の体調や気分に合わせて活用しています。
サスティナビリティやエコロジーな暮らしが求められる今、衣類洗剤ではなくNoix Rhita(ノワ リタ)またはNoix de Lavage(ノワ ド ラヴァージュ)と呼ばれる石けんの実(日本では「ムクロジ」と呼ばれる木の実を乾燥させたもの)が代替品として人気。柔軟剤代わりはホワイトヴィネガー、香り付けにはお気に入りのアロマの精油を用いる人もいるようです。
未病とハーブ
まだはっきりと病気として体感しているわけではないけれども、何らかの自覚症状や懸念点がある時に気軽に相談し、自身のケアに活用する。それは突発的なもので一時的な活用はもちろん、「こんな状態にしたい」「予防としてケアしておきたい」など、長い目で見て身体や心をケアしている・できる人が多いようです。
東洋医学では、病気になる前の「未病 (みびょう)」の状態から治療し、病気にまで進行させない「未病を治 (ち) す」という概念がありますが、フランスでの自然療法・植物療法も似ているところがあるなと感じました。
日本でも数年前から「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」などという言葉がメジャーになってきましたが、フランスでは主治医やカウンセラー・メンターがいるのが普通で、常日頃から気軽に相談・活用しています。日本でも病気になってしまった時だけでなく、未病を治すケアから活用できるような環境になり、心身ともに健康な人が増えることを祈ります。