漢方カウンセラーの星川美由紀です。“キッチンから健康に♪”をモットーにお家でできる食養生をお伝えしています。
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暑いのに冷えてる?!夏の不調は内臓からやってくる
夏も本番を迎え毎日暑い日が続いていますが皆さまお元気ですか?猛暑が続くと冷たいものを摂る機会が増えてしまいますよね。冷たい麺やパスタ、冷奴、サラダ、アイス、かき氷、キンキンに冷えたビールなど摂りすぎてはいませんか?熱がこもり火照った体には冷たくて喉越しの良いものが美味しく感じます。
「冷たいものの取りすぎは体に良くない」とわかっていてもどうしても多く摂ってしまいがちです。特に暑い日、喉が渇いた時に冷たい飲み物が喉を通る時の爽快感は格別ですね。ですが冷たいものをずっと摂り続けていると内蔵はどんどん冷えて消化力が落ちて食欲不振になったり、冷えからお腹を壊すことも。体の土台を作るお腹の調子が悪くては、どんな良いものを食べても栄養を作り出すことができなくなりますし、免疫力も落ちてしまいます。
ホットもアイスも楽しめる薬膳コーラシロップ
今日はそんな夏の水分補給にオススメな、冷たくしても温かくしても美味しく飲める「薬膳コーラシロップ」をご紹介をいたします。今回ご紹介する薬膳コーラシロップには胃腸を温めることで働きを良くする漢方薬の原料となる生薬が沢山含まれています。
それでは一つ一つの生薬の働きを見てみましょう。
漢方薬にも用いられる生薬の働き
食材 | 生薬名 | 食性 | 効能 |
シナモン |
桂皮(けいひ) |
熱性 |
お腹を温めて胃腸の働きを良くし消化機能を高める、冷えによる腹痛、関節痛、月経痛などの痛みを和らげる |
クローブ |
丁香(ちょうこう) |
温性 |
お腹を温める、冷えによる腹痛、胃痛、腰痛、歯痛、嘔吐やしゃっくりによい |
カルダモン |
小豆蔲(しょうずく) |
温性 |
香りでお腹の湿気や気をめぐらせる、消化不良、食欲不振、吐き気、口臭、おならによい |
なつめ |
大棗(たいそう) |
温性 |
胃腸の調子を整え、心を穏やかにする、食欲不振、疲労、不眠、精神不安 |
陳 皮 |
陳皮(ちんぴ) |
温性 |
胃腸を温め湿気をとり消化を助ける、消化不良、お腹の張り、嘔吐、多痰 |
さんざし |
山楂子(さんざし) |
温性 |
肉の過食によるもたれ、腹痛、下痢、生理痛、産後の出血、肥満、嘔吐によい |
その他の食材の働き
食材名 |
食性 |
効能 |
黒砂糖 |
温性 |
お腹を温める、冷えによる腹痛、月経痛、消化不良、血流改善、疲労によい |
レモン |
平性 |
暑気あたり、喉の渇き、食欲不振、疲労、つわりによい |
食材にも、生薬には及びませんが立派な働きが含まれています。黒砂糖はミネラルのかたまり、カリウム、カルシウムが豊富に含まれていますし、冷えで悪くなる血流も改善してくれます
【薬膳コーラシロップの作り方】約15杯分
材料
・シナモンスティック(桂皮) 2本
・クローブ (丁子) 3g
・カルダモン(小豆蔲) 3g
・なつめ(大棗) 中サイズ5個
・さんざし(山楂子) 10g
・陳皮 5g
・生姜スライス 7g
・レモンスライス 1個分
・黒糖 300〜400g
・水 500cc
作り方
❶シナモンスティックは半分に折り、なつめはハサミで切り込みを入れ味や香りが出やすいようにする。
❷鍋に水と黒糖以外の材料全部入れて火にかける。
❸沸騰したら弱火にし、黒砂糖を入れそのまま10分間煮る。
❹火から下ろし粗熱がとれるまで冷ます。
➎完全に冷めたら味を馴染ませる為に冷蔵庫で半日ほど置く。
❻目の細かいザルなどで濾して出来上がり。
美味しく作るポイント
- 工程➎、冷蔵庫で寝かせるのは半日から長くても1日、それ以上置くと生薬の苦味やエグ味が前面に出てしまうので気をつけましょう。
- 黒砂糖はパッケージ裏の原材料を確認して粗糖が混じっていない黒砂糖100パーセントのものがおすすめです。
- レモンは農薬の心配のないものを使いましょう、手に入らないときは皮をむいて輪切りにして使うと良いです。
- 生薬は全部揃わなくても作れます、胡椒や山椒など違う生薬を入れてオリジナルの味を楽しむのも良いと思います。
飲み方
炭酸で割るのが1番コーラらしい飲み方ですね、レモンを絞るとさらに美味しいです。
この薬膳コーラシロップは、お腹を温める漢方薬に近い煎じ液です。冷たいものの食べ過ぎ飲み過ぎで胃が冷えた時、冷房で体が冷え切った時、月経痛でお腹が痛い時などはお湯割をお勧めします。体の芯から温まって血流がよくなり痛みが緩和されると思います。
シロップだけでなく、濾した残りも捨てないでくださいね、お湯割りで飲むことができます。
お腹を温め、冷えを取り除く生薬をたくさん使った薬膳コーラシッロップ。簡単でとても美味しいので是非一度作ってみてください。