化粧品会社で主に薬事業務を行っている、薬剤師のあやかです。
冬至を過ぎて新年を迎え、小寒・大寒に入り、本格的に寒くなってきましたね。
今回は、寒くなり空気が乾燥しているこの季節におすすめの、肌に優しい素材の選び方を紹介します!ご自身の肌の状態や体質をチェックしながら、参考にしていただけると幸いです。
Contents
どうして冬に肌が乾燥するの?
冬に肌が乾燥してしまうのは、大きく二つの理由があります。
一つ目は、「大気の乾燥」です。気温や風が冷たく、空気が乾燥している屋外はもちろん、室内でも暖房の使用により大気が乾燥していると、肌からの水分が失われやすい状態となります。また、屋外と室内の気温差も大きいため肌はストレスを感じやすく、「過乾燥」に陥りやすくなってしまいます。
二つ目は「肌のバリア機能の低下」です。気温や体感温度が低いことで血の巡りが悪くなり、皮脂の分泌量が低下してしまいます。皮脂は、お肌の水分量を維持し、お肌を保護する皮脂膜として外的環境からバリアする役割もあるので、適度な皮脂分泌はお肌にとっては大事な機能のひとつです。
冬の肌におすすめの素材
化学繊維は静電気が起きやすく、刺激となるため肌の乾燥を進めてしまう原因に…
ここからは実際におすすめしたい素材を紹介します。
コットン
オイ科の木綿植物から作られるコットン。柔らかな肌触りで、サラッとした着心地の素材です。
サラッとしているため春夏はもちろんですが、寒い季節には体温を温存してくれる素材でもあるんです。熱伝導が低く、吸湿性もあるため、オールシーズン使えるのもうれしいポイントです。
最近ではオーガニックコットンやコットン100%のインナーや洋服も増え、比較的手に取りやすい価格の商品が多いですよね。
カシミヤ
カシミール地方で飼育されているカシミヤヤギの産毛でできた、とっても柔らかく、肌触りの良いカシミヤ。空気を含んだふわっとしたやわらかい毛は「繊維の宝石」と言われる高級繊維のひとつです。
高い保湿性で、暖かい空気を外に逃がさず保持してくれるため、暖かさを保ちます。お手入れは少し難しいですが、滑らかさと刺激の少なさから、肌への負担が少ない素材です。
ウール
保湿力に優れ、体温を調節してくれる羊毛のウール。
吸湿することで発熱するため、「天然のエアコン」と言われるほど。断熱効果が高く、静電気を起こしにくい素材である上に、吸収した水分をゆっくりと蒸発するため、汗冷えを少なくして気化熱を生じにくい素材でもあります。
カシミヤに比べるとリーズナブルなものが多いのではないでしょうか。
シルク
人間の肌に一番近いと言われ、カイコの繭から作られているシルク。
滑らかな肌触りで、高級感のある、肌に優しい素材です。コットンの約1.5倍の吸湿性と放湿性があると言われ、肌になじみやすいため、お肌の負担を減らして快適にすごすことができます。また、薄い素材のため、着込みがちな冬に重ね着しやすいのもポイントです。
お肌のうるおいを保つための3つの養生
バランスの良い食事
お肌の潤いを保持するためには、外側から潤いを与えることはもちろん、良質のたんぱく質やビタミン類を含むバランスのよい食事や水分摂取を意識して、内側からもケアして肌の新陳代謝を保つことも大切です。
冷え対策
寒さにプラスして冷たい飲み物などを取り、内臓が冷えると末端の血流が滞り、冷えや乾燥が悪化してしまうので、できるだけ温かい飲み物や身体を温める素材を取ることを心掛けるようにしましょう。
リラックス・質の良い睡眠
ストレスもお肌の状態に大きく関与しています。ストレスを感じることで、自律神経のバランスが崩れ、血管の萎縮により末端やお肌に充分な酸素や栄養分が届かないため、正常なターンオーバーサイクルが保てなくなり、バリア機能の低下をもたらします。副交感神経を優位にし、リラックスするためにも自分のお肌の状況を見て、心地よいと感じられる素材を選らんであげることが大事になってきます。
しっかりとリラックスできると、良質な睡眠にもつながるため、夜間の「成長ホルモン」の十分な分泌により、正常な新陳代謝やお肌の水分量を保持することができます。
日照時間も短く、寒さで思っている以上にストレスを感じやすいこの季節。自分の肌状態にも耳を傾け、リラックスできるような肌ストレスの感じにくい素材を選んで、身体と心を労わってあげてくださいね。