フランスでのリアルなハーブ活用術
現在フランス パリの大学院でフィトテラピー(植物療法)の勉強をしている薬剤師のあやかです。
だんだんと暖かくなり、心地よくなってくるとともに、花粉が気になるこの季節…くしゃみや鼻水、目のかゆみに悩む方も多いのではないでしょうか?今回は、植物療法の本場フランスでのエッセンシャルオイルを活用した、自然の力による抗ヒスタミン、抗炎症作用での花粉症対策をご紹介します。
Contents
鼻づまりやくしゃみ、呼吸器系の症状には?
おすすめの精油
わずらわしい鼻づまりやくしゃみ、痰がからむなど呼吸器系の症状には以下の3つの精油がおすすめです。
タナセタム<Tanaisie Annuelle>
抗ヒスタミン作用- カマズレンというセスキテルペン成分が、ヒスタミンの放出を抑制し、さらにロイコトリエンB4(炎症の引き金となる分子)の合成を阻害することで炎症を抑えると言われています。また、カンフルが粘液溶解作用と去痰作用が期待され、呼吸器系の症状緩和に役立ちます。
ラヴァンド・フィーヌ<Lavande fine>
鎮静・リラックス作用-ラベンダーは、酢酸リナリエとリナロールによって、鎮静作用が期待されています。この2つの分子は、神経系に作用し、リラックスさせます。
ユーカリシトリオドラ(レモンユーカリ)<Eucalyptus Citronné>
レモンユーカリは、免疫系を整えることによる抗炎症作用が期待されます。シトロネラールの含有量は、レモンユーカリのエッセンシャルオイルの80%以上とも言われています。また、シトロネラールは、ラベンダーの神経系を落ち着かせる作用をサポートするため、一緒に使うことがおすすめです。
使い方は?
空のボトル(遮光ビンが望ましいです)に、タナセタム30滴、ラヴァンド・フィーヌ10滴、ユーカリシトリオドラ(レモンユーカリ)15滴、アルガンオイル160mLを入れて混ぜます。これを5滴程度(お好みで大丈夫です)を1日2~3回、手首当たりに塗布して軽く香りを嗅いでみてください。7~10日間程度使用してみましょう。
ここで用いるアルガンオイルは皮膚の脂質に近い組成を持つと言われ、なめらかで健やかなお肌に整えます。全肌タイプの方が使いやすいオイルなので、常備しておくことをおすすめします。
もちろんほかのお好きなオイルでも大丈夫です。
さらに鼻詰まりなどが気になりスッキリ感が欲しい方は、ペパーミントなどを5滴程度追加してみるのも良いでしょう。
※妊娠の可能性がある方・授乳婦・5歳未満のお子様は使用を避けてください。
アレルギー性湿疹などの皮膚のかゆみには?
おすすめのハーブ
かゆみや湿疹には、最近腸活やヘルシーな食生活で人気のオートミールである、オーツムギ<l’Avoine (Avena saliva)>が役立ちます。
皮膚をやわらかくし保湿するエモリエント作用と清浄作用がある穀物として知られるオーツムギは、かゆみや湿疹を和らげてくれると使用されています。
使い方は?
お茶パックのような小さな袋や布にオートミールを入れ、浴槽に入れて10分ほど浸かります。お風呂の時間をリラックス時間に導き、お子様にも使用しやすいですよね。
蕁麻疹のような症状には?
おすすめの精油
ゼラニウム<Pelargonium graveolens>とセントジョーンズワート<Hypericum perforatum>の精油がおすすめです。
広範囲にわたる蕁麻疹のような肌荒れにはゼラニウムが、炎症を鎮め、化膿を防ぎます。
セントジョーンズワートは赤みなどを和らげるために使用されます。
使い方は?
普段のボディ洗浄料にゼラニウムのエッセンシャルオイルとセントジョーンズワートのエッセンシャルオイルを加えます。500mLボトルの洗浄料に10滴ずつ加えるのも良いですし、1回あたり1滴ずつ加えて始めてみてもよいでしょう。
混ぜ合わせたものをお風呂に入れて、泡風呂や入浴剤のように使用して浸かるのも、ゼラニウムの香りが癒されるような空間を演出してくれるのでおすすめです。
一見難しそうに見えますが、ビンに直接オイルを垂らしたり、ボディ洗浄料に混ぜたりするだけなど、意外と簡単に楽しめます。それもズボラなフランス人に長年愛されている理由なのかもしれません。
まずはナチュラルな成分で花粉症の気になる症状をケアしてみませんか?