便通がよくてもやるべき!花粉症は腸活で治す

漢方薬店kampo’s薬剤師、薬学博士の鹿島絵里です。面白いほど快適な毎日が過ごせる、東洋医学の日常応用のコツをお伝えします。

鼻水がズルズル、目が真っ赤、頭はぼんやり。花粉症シーズンは一年間でもっとも憂鬱と仰る方も少なくありません。さて、そんな花粉症に治療法はあるのでしょうか。
結論から申し上げますと、花粉症は良くなります!お薬で症状を抑えるのではなく、花粉に対するアレルギーそのものが良くなります

花粉症から解放された人たち

実際に花粉症から解放された方たちにお話を聞いてみますと、「玄米食にした」とか「お酒をやめた」とか、いろいろな方法があるようです。なるほど、確かにこれらは漢方の視点からも理にかなっています。ですが一方で、玄米食にしなくても、また禁酒しなくても、花粉症から解放される方もいらっしゃいます。そして必須の方もいます。

自分にとって何が必要なことか、なぜ自分は身体に備わった本来の力を発揮できていないのか、ここにフォーカスしてみましょう。
体質別に必要なこと、またすべての体質において花粉症から解放されるために必要なことを解説していきます。

花粉症に見られる体質は大きく3つ

まずは玄米食が効果的な瘀血タイプ

血の巡りの滞りという意味の瘀血。実に女性の9割以上の方は、大なり小なり瘀血体質だと言われています。その中でも、生理痛が強く経血に塊が混ざったりする、冷えがあるけどのぼせやすくもある、クマがある、痔になりやすいなど、瘀血の特徴が自覚できるほど出ている方に効果的な花粉症の解決方法です。

一見、生理痛と花粉症なんて全く関係がなさそうですが、大事なのは「なぜ自分の身体は本来の力を発揮できないのか」です。
瘀血タイプの問題は、血の巡りの悪さが身体のメンテナンスの邪魔をしている点です。巡りの良さを取り戻すために、血の質をいいものにしていきます。そのため、添加物の多い食事を避けることや、入浴して血流をよくする習慣をつけます。冒頭で話題にした玄米食ですが、もちろん炊いただけのご飯ですから無添加です。さらに白米に比べて含まれる栄養素の種類が豊富で、これが血の質の向上に役に立つというわけです。玄米が苦手だったりご家族に気を遣うという方は一度、7分付き米を試してみてください。玄米に比べて食べやすく、栄養も摂ることができます。

また瘀血体質は「かたまりやすい、硬くなりやすい」という特徴があります。便秘はその代表的なものですし、筋肉も凝り固まるとさらに血流を邪魔して悪循環に陥ります。マッサージや入浴、そして適度な運動は、「かたまり」をほぐすのに有効です。

・添加物の多い食事を避ける
・玄米、分づき米を取り入れる
・入浴する(シャワーで済ませない)
・便秘、凝りを解消する

ストレスにさらされている気滞タイプ

次は気の巡りの滞り、気滞タイプです。イジワルな人が傍にいたり、過酷な環境下にいたらストレスがたまるのは当然ですが、ご自身の性格が優しいために気疲れしてしまうのもこのタイプです。常に張り詰めた状態で過ごしてしまい、いつのまにか「ゆるめる」ことに対して不器用になっています。身体は「張る」と「ゆるめる」のシーソー関係が大事です。ゆるみっぱなしもダメですが、現代人は圧倒的に張りつめっぱなし。これもまた「本来の力を発揮できない」原因です。張りつめているということは臨戦態勢です。いろんなことに敏感で、身体は過剰に反応しがち。花粉症をはじめとする様々なアレルギーの原因にもなると考えられます。

環境を変える、新しいコミュニティをもつなどして自分をゆるめられる時間を作りましょう。香りのいいものを身近に置くのも助けになります。ストレスから逃れることが一番ですが、腸内環境が良くなることでもストレスを許容できるようになります。便秘や下痢があれば、それらの解消は必須です。

・ストレス過多の環境から距離を置く
・リラックスできる香りを傍に置く
・腸活する

3つ目は水はけ不良の水滞タイプ

鼻水や涙などの症状にみられるように、花粉症の原因の一部は水の巡りの滞りです。水の巡りを狂わせる原因はさらに2つに分けることができ、ひとつは①キャパシティ以上に身体に水分をため込むタイプ、もうひとつは②消化の力が弱いタイプです。

キャパシティ以上に水分をため込むタイプは、お酒をよく飲む、スイーツをよく食べるなどの特徴があります。お酒も砂糖たっぷりのスイーツも、全身の水分調整に影響を与えます。「本来の力を発揮」できるはずがありませんね。こちらのタイプの方はやはり原因であるお酒を控えるのがいいでしょう。もちろんたっぷりのお砂糖もNGです。

もうひとつの消化力が弱いタイプですが、生まれもっての「ひ弱」と、自ら弱らせる生活習慣をしているタイプがあります。ひ弱の自覚はないけれども、いつのまにかそうなっている「隠れひ弱」はざっと見渡して現代人の半分以上です。先ほどのお酒をよく飲む、スイーツをよく食べるかたも、隠れひ弱になっている可能性があります
ひ弱の「ひ(脾)」とはそもそも、胃腸を中心とする消化器系のことです。脾は消化器系の水の巡りと、上半身の水の巡りを担います。消化に負担のかかる生もの(お刺身や生野菜サラダなど)や、冷たい飲食(ヒトの代謝が最も活発な37度からかけ離れるもの)などによってダメージを受けると、涙や鼻水など身体の上の方の水分代謝にトラブルが出るというわけです。日頃から温かいメニューをメインにとること、食事の最後は温かいものでしめることなど工夫してみてください。

また、お腹いっぱい食べる習慣も脾を弱らせます。いつも満腹状態では、脾を働かせすぎていますよね。腹8分目の食事にすること、たまに一食抜くなどして脾を建て直していきます。瘀血タイプで紹介した玄米食は、消化力の弱いタイプには不向きな一面もあります。自分には合わないかもと思ったら、無理せず他の方法で身体の力を養いましょう。

・お酒・甘いものを控える
・生もの、冷たい飲食を控える
・腹8分目の食事にする
・消化が良く温かい食事をとる

全ての体質に共通の花粉症対策は腸活

便通にトラブルがなくても腸活?

紹介してきた体質別の対策ですが、複数当てはまる方もいらっしゃったと思います。やることが多くてどこから始めようか迷ったら、第一に腸活を考えて下さい。
便秘や下痢の解消が大事なことは体質別の対策でも触れてきました。便秘や下痢がなくなって、初めて花粉症対策のスタートラインです。実際には便通に問題がなくても花粉症の方はいらっしゃいますし、こうした方も腸内環境にまだ改善の余地がある場合がほとんどです。

発酵食品や食物繊維を含む食品を積極的にとること、逆にいい腸内環境を邪魔する人工甘味料や乳化剤などを避けること、その他にも充分な睡眠と朝日を浴びる習慣など、腸活は奥が深いです。

注目のポストバイオティクス

効率的に行うのであれば、腸内細菌代謝物のポストバイオティクスがおすすめです。いい腸内環境を整えるのにはもちろん、直接ヒトの身体に作用して効果を発揮してくれるところが、ポストバイオティクスが注目されている理由です。これまで主流だったプロバイオティクスやプレバイオティクスにはない特徴です。

普段の食事で発酵食品や食物繊維をとることももちろん続けていただき、さらにポストバイオティクスで強化できたら理想的です。わかっていても身体にいい習慣がなかなか実践できないときは、ぜひポストバイオティクスを選択肢に入れて腸活してみてください。

1日も早く花粉症の憂鬱から卒業できますように。

 

食良品店FOOD LAB

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同社が運営するFOOD LABは築地にあり、1階が無添加食品のセレクトショップ、2階は薬膳鍋(飲食店)と、食を健康的に楽しめるような店舗です。

漢方メディアでもご紹介する薬膳食材、オーガニック食品のほか、ヴィーガン、グルテンフリーなど多様化する食のスタイルに対応した、セルフケアに最適な商品などを多数取り扱っております。

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