―コアトレって何?Part3 実践編
皆さん、三度こちらの記事へ、クリックありがとうございます(^^♪理学療法士&ピラティス指導者の長尾知香です。
さあ、いよいよ実践編です!ワクワクしますね☆しかーし!いきなり” コアトレのやり方 ”をズラズラと並べません。
まず、コアトレのコツを伝授させてください。次に、アタマで理解したそのコツをうまく活用して、目的のインナーマッスルを鍛えることが可能なコアトレ方法をお伝えします。今回は初めての方にも実践しやすい3つをご紹介します。
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アタマで理解・カラダで実践するコアトレ コアトレって何?Part2 皆さん、こちらの記事へ、お帰りなさい(*^-^*) 再来、ありがとうございます。理学療法士&ピラティス指導者の長尾知香です。 桜も満開シーズンを過ぎ、そろそろ薄着に[…]
Contents
コアトレのコツ
まずは続けてみること
インナーマッスルは、前回まででご説明した通り、カラダの奥にある筋肉です。そして、手足が動いても、体幹はブレないように安定させる筋肉です。
カラダの表面にあって、力こぶもさわれるような、主に関節を動かすアウターマッスルに比べて、インナーマッスルは、さわれない、力が入ってもほとんど体幹は動かない、となると、うまく筋肉に力が入っているのか、とても分かりづらいのです。
筋肉は、意識して繰り返し使うことで、より感覚が良くなります。最初は分からなくても、とにかく実践していくことで、徐々に「お、ちゃんとキュッと筋肉に力が入ってるな」と実感できるようになります。
ピラティスの創始者、ジョセフ・ピラティスさんも、『10回で違いを感じ、20回で違いが目に見え、30回で全く別の身体に生まれ変わる。』と言っていたそうです。
上手くできているのか分からないから、とエクササイズをやめてしまうことなく、「今は分からなくて当たり前、そのうち分かるようになるから、続けよう」というスタンスで、取り組んでみて下さい。私の指導経験からも、確かに、10回くらいで「何となく、、、」というクライアントさんが多いです。まずは、10日間チャレンジしてみるのも、おススメです。
普通が難しい?!体幹のニュートラル
骨盤や背骨が、丸まっていたり反りすぎたりしていない状態を、ニュートラルと言います。中立、中庸という意味の言葉通り、おなかとせなかのバランスがちょうどいい状態のことで、その時は背骨は本来はS字カーブを描きます。
インナーマッスルは、このニュートラルな骨盤・背骨の状態で最も働きます。というか、ニュートラルな姿勢を保つために機能する筋肉です。トレーニングしやすいポジションにして、しっかり鍛えましょう!
ゆっくり有酸素運動で遅筋を活かす
筋肉は、その特性から主に2つに分類されます。素早く動くのに適した筋肉(=速筋)と、ゆっくりずーっと頑張るのに適した筋肉(=遅筋)があります。
インナーマッスルは、ずっと重力に抗って姿勢を保つので、遅筋が多く分布しています。遅筋はまた、毛細血管に富み、酸素を取り入れて働きます。そのため、素早くパッと息を止めて動くよりも、ゆっくり呼吸を伴って動いた方が、コアトレとして効果的です。また、横隔膜もインナーマッスルの1つなので、深くしっかり呼吸しながら動くと、より効果的です。
筋肉を触って確認
前述のように、インナーマッスルは直接触って確認するのは難しい部分もありますが、とっても分かりやすい確認方法があります。
それは、おなかの腹横筋と骨盤底筋群は、うまく使えると、奥に内臓等を引き込む方向に筋肉が収縮しますから、決してモリモリっと力こぶのように筋肉が盛り上がってこない、という点です。
おなかの腹横筋は、おへその下あたりを軽く触れ、息を吐いて筋肉のコルセットを締めるように意識すると、触れた手の下のおなかが引っ込んできます。これで正解。もし、アウターマッスルの腹直筋を使ってしまうと、モリモリっとおなかの力こぶが出て、触れた手を押し上げてきます。
骨盤底筋群も、女性の場合は膣と肛門の間に腱の中心がありますので、そのあたりを軽く下着の上からでも触れて、お小水を我慢するように骨盤底筋群を意識すると、腱の中心が引きあがり、指で触れた圧が少なくなる感覚があります。
- 繰り返しエクササイズすることで、筋肉の感覚がつくので、まずは続けてみる
- 背骨や骨盤が、ねじれたり偏ったりしていないか、ニュートラルを常に意識する
- ゆっくり、じんわり動く
- しっかり深く呼吸をしながら動く(呼吸を止めていきまないように)
- 目的の筋肉が使えているのか、自分でも触って確認しながら動く
1つだけ、注意点。エクササイズしている最中や、終わってからも続く痛みがある場合は、中止してください。そして、痛みが改善しない場合は、医療機関を受診することをご検討ください。
初めての方も実践しやすいコアトレ3種
さあ、コアトレのコツもアタマに入ったところで、いざカラダで実践してみましょう!
ペルビック・クロック
スタート・ポジション:仰向けに寝て両膝を曲げ、両手の親指・人差し指を合わせて三角形を作り、親指をおへそ、人差し指を恥骨に当てます。この手の三角形が、床と平行になるように姿勢を調整します。この位置は、骨盤のニュートラルになります。
①息を吸いながら、人差し指と恥骨が床の方へ近づき、床と背中の隙間があくように、骨盤を反らします。時計をお腹の上に置いたとしたら、6時の方へ骨盤を傾け、しっぽを背中にピンと立てるイメージ。
②今度は息を吐きながら、人差し指と恥骨が天井の方へ高く上がるように、背中が床に隙間なくくっつくように、骨盤を丸める方向に倒します。今度はお腹の上の時計の12時方向へ傾け、しっぽを足の間に丸めるイメージ。
①、②をゆっくり10回程度繰り返します。主に、おなかの腹横筋、せなかの多裂筋、骨盤底筋群を使うコアトレです。
ブリッジング
スタート・ポジション:仰向けに寝て両ひざを立てます。骨盤は前述のペルビック・クロックの時と同じように、ニュートラルにします。膝の間はこぶし1個分くらい空けても構いません。
①息を吸って準備します。吐きながら、骨盤を丸める方向に動かして、腰の反りがなくなって背中が全部床についた状態にしてから、尾てい骨から順番に下から背骨1つ1つ床から離れるように、お尻を持ち上げます。腰を反らさないよう、肩甲骨が床から浮くまで上げません。また、お尻の筋肉よりモモ裏の筋肉をしっかり使ってお尻を上げます。
②お尻を持ち上げたまま、息を吸います。
③再び吐きながら、今度は背骨1つ1つ、上から順番に床へ下ろしていきます。
④尾てい骨まで床に下ろしたら、吸いながらスタート・ポジションの骨盤ニュートラルに戻します。
①〜④をゆっくり5-7回繰り返します。主に、骨盤底筋群と共におなかの腹横筋の下部、モモ裏・内モモの筋肉を使うコアトレです。
ニーアップ
スタート・ポジション:骨盤、背骨を丸めすぎず、反りすぎずのニュートラルで立ちます。両足の間は、こぶし一個分くらい空けます。骨盤や背骨のニュートラル維持の目印として、後ろに棒を持つか、壁に寄りかかって、頭の後ろ、肩甲骨の間、尾てい骨の3点が棒や壁から離れないようにすると分かりやすいです。壁に寄りかかる場合は、足を壁から少し離して前に出しても構いません。
①息を吸って準備します。吐きながら、膝と股関節を曲げながら、まっすぐモモを上げます。前述の3点が動かないように、しっかり体幹を安定させておける高さまででよいですが、可能であれば、膝がおへそと同じ高さになるあたりまで上げます。
②モモ上げしたまま息を吸って、吐きながら、元の位置まで足を下ろしていきます。
③今度は、反対のモモを、同じ要領で上げます。
①~③を、ゆっくり片足ずつ交互に、10回程度繰り返します。このコアトレは、インナーマッスルでもあるモモ上げの筋肉(特に大腰筋)を、おなかの腹横筋、せなかの多裂筋、骨盤底筋群と共にバランスよく使う、いわば全身をまんべんなく機能的に使うエクササイズになります。
アタマで思い描いた通りに、カラダを動かしていく。うまく出来なくても、トライ&エラーで脳が学習し、コントロールできるようになるのが運動学習です。
この運動学習が素晴らしいのは、一度会得されたものは、比較的永続性があることです。誰かにやってもらったものは、自分では再現不可能で、その場限りになってしまいますから、マッサージや整体などは、次の日には、また症状が戻ってしまう、、、という経験があるのではないでしょうか。逆に、ずっとやっていなかったことも、久し振りにやっても上手く出来てビックリすることがありませんか?小さい頃に出来た竹馬、一輪車などは、大人になって何十年振りにトライしても乗れたり。
自分のカラダは自分で上手くコントロールして、より快適&長持ちさせると、きっと健康寿命アップすること間違いなしですね!共に、ピンピンコロリを目指しましょう!!