コアトレって何? Part1
皆さん、初めまして!理学療法士&ピラティス指導者の長尾知香です。
体幹(コア)を鍛えることに特化したトレーニングのことを、コア・トレーニングといいます。現場では、略して「コアトレ」。体幹は、四肢や頭を動かす時の土台になりますので、可動性だけでなく、安定性も求められます。この安定性に多大に寄与するのが、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる、体幹の深部にある筋肉です。ヨガやピラティス等は、この分野に特化したエクササイズとしても最適です。
そもそも、インナーマッスルを鍛えると、どんな効果があるのでしょうか?
今回は、20年近くコアトレを実践・指導してきた経験の中で得た効果性と、コアトレでターゲットにしている筋肉について、ご紹介します。
ご自身のお悩み症状に効果的かどうか分かれば、始めやすいですよね!そして、どこのどんな筋肉か、イメージがつかめると、取りつきやすいですね!!
そんな気持ちで、読み進めていただくと、うれしいです(^^♪
Contents
コアトレはここに効く!!
美しい姿勢は痛みのないカラダの第一歩
重力に抗って姿勢を保つ筋肉(=抗重力筋)にアプローチしますので、当然ながら姿勢保持力がアップします。腹筋、背筋はもちろんのこと、骨盤の底辺を支える骨盤底筋群もターゲットにしたトレーニングのため、立位姿勢はもちろん、座位姿勢の改善も可能です。また、姿勢の崩れから起こる肩こりや腰痛の場合は、症状が改善する可能性があります。
肩こりや太い足の原因に届く!全身の筋バランス改善
体幹は、文字の如く、体の幹。枝葉が腕、根っこが足、さらにホンモノの樹にはない、重たい頭が一番上に据えられています。幹が不安定でグラグラしていると、根っこや枝葉などの負担が増えますよね。つまり、腕や肩に力が入り過ぎたり、足だけ太くなったり、頚が硬くなったり。
トレーニングによって体幹の安定性が向上することで、バランスのよい身体の使い方が可能となります。力の分配は負担の分配となり、これらの不調を改善できる可能性があります。
疲れやすいを卒業
先述の姿勢改善・筋バランスの改善により、その副次的効果として、より効率的な身体の使い方ができるようになります。必要なだけ十分に、しかし、どこか一部の筋肉だけで過大に頑張ることなく、バランスよく姿勢を保ったり動作することが可能になります。これにより、疲れやすい身体から、燃費のよい=持久力のある身体に改善できる可能性があります。
鋭敏なセンサーでしなやかに
ここでいう柔軟性とは、立位体前屈のように身体の一部分をどのくらい引き延ばせるか、ではなく、筋肉を機能させる、つまり、しっかり伸び縮みさせることができるか、になります。筋肉は、力が入ると縮んで固くなり、力を抜くと伸びて柔らかくなります。目的の姿勢保持や動作が出来ているか否かは、筋肉や腱の長さを感知する神経からの情報が、脳にフィードバックされることで、最適の力の入れ具合に調整することで達成されます。
このコントロールが、例えばずっと背中を丸くしてデスクワークしていると、背筋が伸び切った状態で放置され、筋の長さのフィードバック信号が不具合を起こし、筋肉自体の伸び縮みも悪くなり、いざ背中を反らそうとしても、背筋を縮めるのが困難になってしまいます。前述のように、全身の筋をバランスよくトレーニングすれば、筋肉が本来の機能を果たし、しなやかさを獲得・維持できる可能性があります。
コアトレのターゲットはどこの筋肉?
筋肉は、皮膚に近い身体の表面にあるものだけでなく、内臓の手前まで奥深く、ミルフィーユのように折り重なっています。その奥深くにある筋肉、体幹のインナーマッスルと呼ばれる筋肉が、コアトレのターゲット筋です。
具体的には以下のものです。
背筋群のインナーマッスルである多裂筋
骨盤周りのインナーマッスルである骨盤底筋群
簡単に、1つ1つ見ていきましょう。
おなかの腹横筋
腹横筋は、4層の腹筋群の一番奥になります。
腹筋群の一番表面が腹直筋で、いわゆる「割れてる腹筋」です。下の図の赤色で示されている、縦長で、横に3つ白い線のある筋肉です。
その下に腹斜筋が2層あり、さらにその下が腹横筋で、下の図ではミドリ色に示されています。腹・横と書くだけあって、横方向にキューッと縮まる筋肉なので、そう、筋肉のコルセットです!
せなかの多裂筋
続いて、多裂筋。背筋群は細かく多層になっていますが、その中でも、奥から2番目あたりのグループの筋肉です。
背骨を2-4個くらいしかまたがないので、ギザギザと裂けたような形状のため、「多裂」と命名されたのでしょう。多裂筋は、背骨を反らすというよりも、筋肉の長さセンサーとしての機能が重要です。
骨盤底筋群
最後に、骨盤底筋群。内臓を一番下で支えているのは、骨盤の骨ではなく、この骨盤底筋群なのです。
色々と出し入れする場所なので、骨で塞がず、筋肉で開け閉めできるようにしておく必要があるからです。いわば、内臓に直結できる、究極のインナーマッスルですね。
そのため、この骨盤底筋群に力が入っていないと、なんと他のインナーマッスルもうまく機能しません。逆のことは成り立たず、例えてみれば、ダイナマイトの導火線のような役割をしています。ダイナマイト本体に火をつけても爆発せず燃えるだけで、導火線に火をつけないと、爆発できません。単体で1つの筋肉だけ頑張っても、コアは安定しない=機能的にならないのです。
何となく、コアトレのイメージがつかめましたでしょうか?
次回は、このコアトレの効果を、現場で得たものだけでなく、今度は研究データから得た科学的な知見について解説します。
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