悪寒を感じた時のカイロを使った風邪対処法
初めまして!鍼と灸と漢方〜白月〜代表鍼灸師の山口藍子と申します。
風邪かも?と思った時にできる簡単な養生方法をお伝えします。
Contents
風邪〈カゼ〉とはどんな病気?
西洋医学的には上気道(鼻〜喉頭までの部分)の急性炎症を示します。ウイルス感染によって鼻や喉が炎症することで、咳・くしゃみ・鼻づまりなどといった症状が現れます。定義としては「自然によくなる上気道の炎症」とされています。
風邪の定義上においては、自然とよくなるのでケアせずとも放っていても治ることが多いのですが、症状が悪化する前に対処するに越したことはないですし、できれば、身体に負担のないように対処したいところです。
症状が重くなればなるほど身体の体力は消耗していく一方なので、いわゆる、「風の邪を体内の深部まで(裏まで)入れないこと」が大切です。
東洋医学的にみた風邪の進行順序
「表」= 身体の表(浅い)→ 症状がまだ軽い
「裏」= 身体の奥(深部)→ 症状が重い
とイメージしてください。
❶邪が皮膚を侵し体表面に現れる〈表証〉
❷邪がだんだんと盛んになる〈裏熱実証〉
❸邪が表と裏の境目まで潜ってくる〈半表半裏証〉
このような経過を辿り、それに応じて現れてくる症状も変化します。
邪が奥に入り込んでくると波及する範囲が広くなり、症状も多様になります。
悪寒を感じたらまずやってほしいこと!
進行順序❶〈表証〉の段階でしっかり対処すれば風邪は悪化せず治癒していきます。
放っておくと、どんどん邪が侵入してくるので
『喉のイガイガ感・強い寒気・背中の悪寒・重だるさ』などの
サインを感じたら、すぐに対処するようにしましょう!
用意するものは貼るカイロのみ!
貼るカイロを『風門(ふうもん)』
というツボに貼るだけ
【 風門 】の位置
背中にある肩甲骨の間。
下を向くように首を曲げて一番出ている大きい突起の骨から指3本分ほど下
さらにそこから指2本分ほど左右外にあります(背骨を境に右に1つと左に1つ)
経絡上では太陽膀胱経に属しています。
【 風門 】の役割
文字の通り、「風」を「門」の開け閉めによって出し入れしています
予防したいときは門を閉めて、治すとき(風邪を出したいとき)には門を開ける必要があるのです。
【解説】
東洋医学的にみると風邪は背中から侵入すると考えられ、下記図の通り「風」がつくツボの名称が複数あります。(専門的に言うと背中にある経絡、「太陽経」と「督脈」からまずは侵入し、次に呼吸器系を司る肺経に波及してきます。)
実際に、風邪をひいている方は頚背部にあるツボに反応が現れることが多いのです。
初期の背中にゾクゾクした寒気を感じる段階のうちに、頚背部を温めて汗と一緒に皮膚から追い出そうという魂胆です!
風邪の予防に対しても、首凝りや肩凝りのケアも必要ということがなんとなくイメージできるでしょうか☆
余談ですが、このような風邪の寒気には漢方薬の葛根湯を飲むことがありますが、葛根湯は肩凝りにもいいと言われています。
首や肩が凝ると頚背部に存在する風門などのツボも影響をうけるので、よくできているな〜と思います。
広範囲を狙うので、正しい位置でなくとも、肩甲骨の間にカイロを貼れていれば大丈夫です。
カイロを貼ってしっかりと熱が伝わるように仰向けになって1時間は温めてください。
仰向けになれる時間がない場合はボディラインにフィットするようなお洋服でカイロがしっかり肩甲骨の間に当たるようにしてください。
冬や冷房などで寒い空間の時には、首にも風が当たらないようにハイネックのお洋服やマフラーを巻いたりして防御を!
もう一手間、足首に風が当たらないように長めの靴下を履いたり、レッグウォーマーをするとなお良しです。
これは夏でも同じ方法を用いるのですが、夏はカイロが気軽にみつけられないのでストックしておく事をお勧めします😅
カイロがない場合は、少し面倒かもしれませんが小豆を温めてカイロ代わりにしてみてください(^ ^)