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香港庶民の台所、街市巡り

香港の台所
食の源「街市(がいしー)」をのぞいてみよう!

香港在住の薬剤師・国際中医師の林 三貴と申します。
これまで香港ネタ満載のコラムを紹介してきましたが、読んでいただいている方の中には、
「香港の人々は、ふだん家でどんなものを食べているんだろう?」「薬膳テイストの食事を作るための食材ってどこで手に入れているのかな?」なんて思われる方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、香港庶民の台所「街市(がいしー)をご紹介したいと思います。

街市ってなに?

街市とは、香港内各地に多数ある生鮮食料品を小売りする市場の総称です。

「街」は日本語 の「道」の意味で、本来は「道沿いの市場」という意味なのですが、最近の街市の多くは道沿いではなくビルに転移しています。道沿いでは、衛生管理の面で問題があるので、行政の管理下に置きビルに統括したそうです。

街市ビル内には、小売店舗が軒を並べ、野菜、果物、魚、肉など、新鮮な食材から、飲食店・服屋・雑貨店・日用品店など、生活に必要なものを入手できる場所となっています。

より良いものを安くがモットーで、昭和の頃に見られた懐かしい市場が街のそこかしこにある感じです。

街市で出会う魅力的な薬膳食材

生鮮食品売り場には、お馴染みの野菜から日本人にはザ薬膳!と感じる食材もたくさんあります。薬膳の食材といえば、棗やクコ、陳皮などを思い浮かべる方も多いかと思いますが、こういった食材は香港では、街市でも、スーパーマーケットでもどこにでもあり、すぐに手に入る食材です。

なので今回は、薬膳好きにはたまらないであろうフレッシュな食材をご紹介したいと思います。

魚腥草(ぎょせいそう/ドクダミ)

 魚が腐った時の臭いに似ていることにより「魚腥草」と命名されたのがドクダミで、ニキビや肌荒れに、または便通改善などのデトックス対策でドクダミ茶を飲んでいる方もいらっしゃるかと思います。
独特の臭いがありますが、加熱すれば臭いも消えて美味しい食材なので、天ぷらやきんぴらのようにして食べるのが香港では一般的です。

生薬として、化膿症、湿疹などの皮膚疾患や蓄膿症、中耳炎などに用いられるので、亜熱帯気候の香港で、日頃から重用されているのも頷けますね。

益母草(やくもそう)

益母草は、欧米でも、Mother wort(母の草)と呼ばれているハーブで、古書に「益母草を久しく服すれば子をもうけしめる」と記載されているように、子宝の薬草として利用されてきました。
クセがないので和え物にしたり、スープに入れたり、炒めたりと使い勝手が良い野菜です。

生薬としては、血流を良くすることで月経を整えたり、利尿して水腫を除くなどの作用があるので、産前産後や血の道といわれる婦人科系の症状に用いられます。

土茯苓(どぶくりょう)

香港で非常によく見かける食材で、赤い実を付けたツル性の植物の根茎です。日本では一般的には「山帰来(さんきらい)」と呼ばれますが、生薬の茯苓とは異なります。

高温多湿な気候のため、体に熱と水分(湿)が溜まりやすく、赤みと痒みのある湿疹(皮膚炎)が出やすい環境なので、湿疹がある時、または湿疹予防で湿を取り除くために、スライスした土茯苓を赤小豆や南豆などと一緒に煮込み、養生スープとして飲みます。
皮膚疾患のデトックスとして、土茯苓1日量約10gを煎じてお茶の代わりとしても飲むようです。

 生薬としては、消化機能を高めて水分を除く作用があるので、乾癬、梅毒、慢性の皮膚疾患、化膿性疾患、アトピー性皮膚炎などに使われます。

淮山 (山薬)

長芋です。薬用として使われるのは、奥の細長い方です。

白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)

ガン予防の食材として人気を呼んでいる「白花蛇舌草」
清熱解毒を目的として汎用されている薬草で、多くの慢性疾患の炎症症状に古くから用いられてきました。
飲み易く刺激性が少ないということで、香港ではお茶として、またはスープに入れ食しています。

馬歯莧(ばしけん /スベリヒユ )

日本ではあちらこちらで見かける雑草のスベリヒユなので、ご存知の方も多いかと思いますが、世界中の温暖〜熱帯地域のどこにでも生えています。

「スベリ」は茹でた葉や茎を押しつぶした際に、ぬめりがあるところからきているらしく、軽く茹でで食べられ、酸味があってシャキシャキして美味しく、サラダのように食べられることが多いです。

生薬としては、利尿作用や膀胱炎、肝臓病などに効能があり、生の絞り汁は解毒や虫刺されに効くとされています。

動物性生薬も!

写真はありませんが、ブタの血を固めたもの女性の貧血などにとても効果があると言われ街市ではよく売られています。

以上、薬膳的な食材を簡単にご紹介しましたが、食材それぞれの持つ力を知り、それらを生かし日々の食生活の中に取り入れる。これが当たり前の日常である香港。
薬食同源が根付いていることがお分かりいただけたかと思います。

余談ですが、最後に今や日本で見ることの少ない街市の光景をご紹介します。

鶏のケージが並んでますが、このお店では、意気のよい鶏を消費者自らが選び奥で即座に絞めてさばくのです。私達の目の前で です。

日頃スーパーマーケットでしかお買い物をしない私達にとっては、なかなかショッキングな光景かもしれないですが、食とは「私達が命を繋ぐために、生あるものの命をいただくという貴重な行為」です。つい忘れがちになることを気付かされた瞬間でもありました。

私達は食べたものからできています。天と地の恵みを頂けることに日々感謝し、生きていきたいものです。

 

この記事を書いた人

林三貴

薬剤師、国際中医師
おうち漢方@香港を主催
薬学部卒業後、製薬会社、調剤専門薬局を経て、現代医学にない漢方の世界観、自然哲学に魅せられ漢方専門薬局へ。2008年国際中医師免許を取得する。 主に婦人科系疾患を担当し、女性の悩みに耳を傾け症状改善を手がける。 2012年香港に移住。現地で漢方カウンセリング、漢方レッスンを開講する。 漢方養生茶、よもぎ蒸し、経絡トリートメントを取り入れた漢方カウンセリングでは、現代医学、現代栄養学の見解も併せ、養生法を提案。現地日本人の健康サポートを行う。 オンラインでのカウンセリングも実施しており、香港のみならず日本の方にも、本場香港からの漢方の智慧をお届けできればと思っている。

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