みなさん、こんにちは。食育アドバイザーで、プラントベース子育てをしている、櫻井麻友です。
今回は、薬膳食材の『龍眼』の魅力を詳しく見ていきましょう!
龍眼はフルーツ?
名前から迫力のある『龍眼りゅうがん』!みなさん聞いたこと、見たことありますでしょうか?
もしかしたら乾燥している龍眼は、中華のデザートやドリンクなどで、見たことがある方もいるかもしれません。
実は、日本でも薬膳料理はもちろん、漢方薬でも用いられる食材なのですよ。龍の眼という名前からどんな食べ物!?と思われがちですが、実はとっても可愛いライチに似たフルーツなのです。しかし、昔から薬として使われてきたものであり、見た目によらずたくさんの効能があるのですよ。
そんな龍眼の魅力を見ていきましょう!
名前の由来は?
まず気になるのが、龍眼というインパクトのある名前の由来ですね。
名前の通り、龍眼の果実の中には黒い種があり、その見た目が龍の目に似ていると言われ、その名が付けられたと言われています。
『龍』という名前から迫力がありますが、中国では『龍』はとても神聖な動物とされ、皇帝の強さや権利のシンボルとされてきたのです。中華街でも『龍』のモチーフのものを、よく見かけますよね。
そんな縁起がよく大切にされている、『龍』という名前が付いているのですから、薬としてもとても効果が高いものと、考えられていたのではないでしょうか。
龍眼はどんなもの?
ムクロジ科リュウガンの果肉。
ムクロジとは無患子と書き、患う子が無いという意味で、無病息災の神事に用いられてきたのです。
楊貴妃も愛したライチと同科の植物で、果実はひとまわり小さいですが、皮をむけば味も見た目もとても似ています。中国で約2000年前から、薬として用いられ、老化の徴候に対処する生薬、また産後の強壮薬として使われてきたそうです。
そして、中国最古の『神農本草経』の中品に「龍眼」の名で収載されています。「味甘平,五臓の邪気を主治し,志を安んじ,食に厭しむ。久しく服用すると魂を強め聡明にし,身を軽くし,老いず,神明を通じる。一名益智」と記されています。気持ちが安らかになり、食が増し、聡明になり、身も軽く、老いず、精神活動が良くなる。別名は益智やくちといい、人の知能を高めるという由来だそうです。
神果(神の果物)と言われ、神聖なものとして扱われ、健康になるだけでなく、聡明で智恵も増すなんて、子供から大人まで絶対に食べたくなるものですね!
龍眼の驚くべき栄養素!
五性 温
帰経 心・脾
まず薬膳で龍眼は、血を補う食材です。滋養強壮作用もあり、疲れやすい方や産後・病後、貧血症状にもおすすめです。また、龍眼は安神作用があり、身体をリラックスさせ、心を落ち着かせてくれます。気血が不足している場合の、不眠や動悸、不安感や心身の疲れにはとてもおすすめです。
有名な漢方薬の『帰脾湯きひとう』は、龍眼が使われており、胃腸に良く、安神作用があるので、不眠や不安感などを改善する処方なのです。
◯ビタミンB6
◯ビタミンC
◯ナイアシン
◯亜鉛
◯鉄
◯銅
◯リン
◯カリウム
◯カルシウム
◯食物繊維など
このようにビタミンやミネラルがとても豊富で、栄養素も満遍なく含まれていますね。
・滋養強壮作用
滋養強壮作用としても昔から使われてきましたが、ビタミンB群やビタミンC、また鉄やリンなど、身体のエネルギー源となる栄養素がたくさん含まれていますね。疲れている時、疲れやすい体質の方、産後や術後にはとてもおすすめです。
また、これらの栄養素は、免疫力アップやアンチエイジング、老化防止にもとても効果的です。
・リラックス効果
そして、薬膳的な効果にもありましたが、やはり龍眼には、栄養素を見ても精神を安定させる効果が期待出来そうです。GABAは、脳や神経をリラックスさせる効果があります。そのGABAを助けているのが、龍眼にも含まれているビタミンB6なのです。
また、ビタミンCやビタミンB群も、抗ストレスホルモンの合成に必要な栄養素です。さらに、みなさんご存知の通り、カルシウム不足や鉄不足は、自律神経に影響を及ぼしてしまいますね。
それらの栄養素を龍眼は、すべて補ってくれるのですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?見た目は可愛い龍眼ですが、驚きの効能がたくさんありましたね。
龍眼は、乾燥したものが手に入りやすく、使いやすく、日持ちもするのでとても便利です。乾燥した龍眼は、薬膳デザートや薬膳ドリンクなど良いですし、もちろんそのままでもとても美味しく食べられます。
私の娘も龍眼が大好きで、小さいころから食後のおやつに食べています。お子様のかんしゃくや、落ち着きを持たせるにも、龍眼は活躍しそうですね。また、今の時代やはり免疫力を高めるということは、とても大切だと思いますので、是老若男女問わず、龍眼を食べて、体力を付けてほしいです。