みなさん、こんにちは。食育アドバイザーで、プラントベース子育てをしている、櫻井麻友です。
今回は、薬膳食材でも代表的な『高麗人参』について見ていきましょう!
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高麗人参は身体に良いの?
『高麗人参』や『朝鮮人参』みなさん一度は聞いたこと、見たことあると思います。
参鶏湯に入っているイメージが強いでしょうか。参鶏湯は韓国料理で、薬膳食材がたくさん入ったスーパーフードですね。
美容大国と言われる韓国では、今でも老若男女問わず、若い世代も健康維持や美容のために常用している人が多いのですよ。韓国ドラマでも、絶対と言っていいほど出てきますね。(笑)年配の方のプレゼントには、高麗人参!という場面もよく目にしますね。
また、高麗人参と聞くと、とても貴重なもの・高価なものというイメージがあるのではないでしょうか。また見た目から、不味そう、怪しいなどの声も聞こえてきそうです。
確かに、そのまま食べるととても苦味があり、不味いというのは間違いないですね。しかし、みなさんが想像している通り、とても身体には良いのですよ。『良薬は口に苦し』ということわざもあるくらいですからね。
高麗人参とはどんなもの?
↑花と実が付いた高麗人参
高麗人参の他に、オタネニンジンや朝鮮人参ジンセンやホンサムと呼ばれる。 根っこを乾燥させたもの。高麗人参の種類は、水参(すいじん)、白参(はくじん)、紅参(こうじん)がある。
高麗人参Panax ginseng という属学名は、『全ての治療』という意味で、昔から万病薬とされてきたことが分かります。
そして、人参の名前の由来は、高麗人参の根っこが人の形に似ているところから、人参と名付けられたとも言われています。
だんだん本当の『人』に見えてきましたね(笑)
東洋医学では、臓器と似たものを食すれば、その部分が良くなるとされていました。(例えばくるみは脳に似ているから、くるみを食すると脳に良い)なので、人参は人の形に似ているので、人々の生命や健康を守ってくれると思われていたのかもしれません。ですから、人に似ているほど効能も良いと言われたりするのでしょうね。
また、中国最古の書、神農本草経には、「人參、一名人銜、一名鬼蓋。味甘微寒。五臓を補し、精神を安んじ、魂魄を定め驚悸を止め邪気を除き、目を明らかにし、心を開き、智を益すを主る。久しく服すれば身を軽くし、年を述べる」と記されています。
「人参は、五臓を補い、精神を安定させ、邪気を除き、知恵を益す、また、飲み続けると身を軽くして、寿命を延ばす」ということですね。万病薬と言われることも分かりますね。
さらに、高麗人参が貴重・高価と言われるのには、効能以外にもわけがあるのです。
4年根の高麗人参や6年根の高麗人参!と聞いたことありますか?実は、高麗人参は4年から6年かけて、少しづつ大きなるのです。また、1回高麗人参を植えるとその畑には5年〜10年も作物を植えられないといいます。これも高麗人参が、貴重とされる理由です。
高麗人参はいつから食べられていたの?
高麗人参の原産地は、中国から朝鮮半島にかけてとされ、古くから薬として用いられてきました。
日本でも一般的に知られるようになったのは、江戸時代と言われています。それまで高麗人参は、朝鮮との交易品、礼物として日本に入ってきていました。昔から高麗人参は、とても貴重なものということが、分かりますね。庶民は口にすることなど、出来ないものだったのではないでしょうか。
その後、とても需要があるとされ、江戸時代の徳川家綱の時代に、国内栽培を成功させました。高麗人参栽培の経緯は、『朝鮮人参耕作記』という書物にも残されているほどであり、とても難しかったそうです。
栽培に成功したことで、更に高麗人参で火がつき、江戸時代に韓流ブームが起きたくらいなのですよ。色々な社会問題に発展したくらい、高麗人参の影響力は大きかったのですね。
万病薬!高麗人参の効能!
いかにも健康に良さそうな高麗人参ですが、早速効能を見ていきましょう。
五性 温
帰経 心・脾・肺
薬膳では、エネルギーを補う食材です。滋養強壮作用・疲労回復作用があり、疲れた時や疲れやす方、虚弱体質の方、病後にもおすすめです。
もちろん栄養価もとても高く豊富です。
◯フラボノイド
◯マグネシウム
○カルシウム
◯鉄など
◯ビタミンB群など
高麗人参は、万病薬と言われるくらいですから、書ききれないほどたくさんの効能があります。ですので、今回はその中で、より素晴らしい効能をいくつか紹介しますね。
まず、その前に高麗人参といえば、サポニンという成分が有名です。高麗人参のサポニンは、とても特別なものとされ、『ジンセノサイド』と呼ばれています。その『ジンセノサイド』が、色々な役割を果たしてくれています。
・免疫アップ効果
高麗人参のジンセノサイドには、タンパク質合成作用があります。これは、簡単に言うと、自己回復力や自然治癒力を付けてくれるということなのです。免疫アップはもちろん、病時や病後にもとてもおすすめですね。
漢方薬でも、エネルギーを補い、体力や抵抗力を付け、また術後にも使われる『十全大好補湯じゅうぜんだいほとう』や、胃腸の働きを良くしエネルギーを補い、倦怠感を改善する『補中益気湯ほちゅうえっきとう』などの処方があります。
・自律神経安定効果
高麗人参のジンセノサイドは、神経抑制作用と神経興奮作用の相反する作用を持っています。ですので、その2つがバランスよく働くことで、心身の状態を正常に保つことが出来るのです。その為、ストレスに対する抵抗力を高め、自律神経の乱れを整えてくれるのです。イライラや不安、鬱などの症状、更年期障害にもおすすめですね。
・生活習慣病予防効果
高麗人参のジンセノサイドには、生活習慣から引き起こされる、これらの症状にも効果的なのです。
○糖尿病(肥満) コレステロール値や中性脂肪を低下させる効果があります。
○がん がんの増殖を抑え、転移や再発防止にも効果的です。
○脳の機能 脳の受容体を刺激し、脳の老化による認知機能の低下を防いでくれます。
○動脈硬化 血流をスムーズにする作用があり、血栓が出来るのを防ぐことで、動脈硬化の予防にもなります。また、動脈硬化から発症する脳梗塞などにも効果的と言われています。
これらすべてが、高麗人参に含まれるジンセノサイドの効果とは、とても驚きの効果ですね。
・美容効果
高麗人参にジンセノサイドには、強力な抗酸化作用があります。ですので、身体の中のサビを取り除き、ターンオーバーを正常にすることで、肌荒れやシミ、しわの改善につながります。また、ジンセノサイドは紫外線からお肌を守る働きや、血流を良くする働きがあるので、アンチエイジングには欠かせない栄養素ですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。高麗人参は、気になるけどなかなか手が出せない!と思っていた方も、1度飲んでみようと思ったのではないでしょうか?
高麗人参が昔から、『神秘の霊薬』と言われていた意味も分かりましたね。こんなに良い効能がたくさんあったら、昔の人々が、買い占めに来ることも想像が出来そうです。
高麗人参は、そのままでは食べることが難しいと思いますので、簡単にスープに入れたり、ドリンクに入れて取り入れることをおすすめします。また、サプリメントや栄養ドリンクなどもありますね。安心安全なものを選んで、飲まれるといいと思います。日本では、古風な高麗人参が多いですが、韓国の製品では若者に人気のものも多く、味も美味しく、見た目も可愛い紅参がたくさんありますよ。是非お試しください!