出張もみほぐし整体 Helco(ヘルコ)代表、薬剤師の野間俊吾です。
生きづらさを感じるHSP(Highly Sensitive Person)のあなたへ声を大にして言いたいです。
「漢方がマジでおすすめ!」
実は、HSPが生きやすくなるためのヒントは漢方の中に隠されています。(ここでの漢方とは漢方医学の意味であり、漢方薬、鍼灸、養生、薬膳などを含みます。)漢方を理解し、実践することで、HSPの悩みを解決し、もっと楽に生きることができます。
前編に引き続き、後編でも、漢方とHSPの相性が良い理由を漢方の概念を通して解説していきます。今回紹介する陰陽論と整体観は悩みを減らすことができる思考のコツです。読んでいただければ、きっとあなたの悩みを解決できるヒントが見つかるでしょう。
Contents
善悪ではなく、バランス
陰陽論(いんようろん)とは
陰陽論とは、この世の全ての物事は「陰」と「陽」に分けられるという考え方です。
・影が陰であれば、光は陽
・月が陰であれば、太陽は陽
・夜が陰であれば、朝は陽
・下がることが陰であれば、上がることは陽
・悲しいことが陰であれば、嬉しいことは陽 など
ここで注意しておきたいことは、「陰が悪くて、陽が良い」というわけではありません。陰と陽は共に存在し、どちらかに傾くことなく、常にバランスの取れている状態が理想です。陰陽のバランスが崩れることで、不調をきたすと考えられています。
さらに、この概念には面白いルールがいくつかあり、今回はその中で2つだけ覚えておいてください。
ひとつは、陰陽のそれぞれの中にもまた陰と陽が存在すること。例えば、月は太陽と比べると陰に分類されますが、月の中でも欠けている三日月は陰、満たされている満月は陽と分類されます。このように陰は必ずしも陰としてだけ存在するのではなく、陰の中にも陽が存在します。
もうひとつは、陰と陽は互いに変化し合うということ。例えば、夜(陰)は太陽が昇れば、朝(陽)となります。そして、太陽が沈めば、また夜(陰)となり、一日の中でも陰と陽は変化していることがわかります。
HSPの陰と陽
陰陽論のルールを踏まえた上で、私と一緒にHSPが抱えやすい悩み(陰)を陽へ置き換えてみましょう。
このように捉え方を変えるだけで、ネガティブなこと(陰)の中にポジティブな一面(陽)を発見できたり、ネガティブなことからポジティブなことへ変換できたりします。物事を深く考え、ネガティブに捉えやすいHSPですが、持ち前の思考力を活かして自身のポジティブを見つけ出し、自分の特徴をもっと活かしていきましょう。
陰陽論を理解することは、HSPの思考の整理やメンタルケア、生きづらさの解消にも繋がります。
漢方的、俯瞰の視点
整体観とは?人体の外部も丸ごと考える
整体観とは、人体の内部は人体の外部からの影響や恩恵を受けるという考え方です。
「威圧的な上司に怒られて、ストレスでお腹が痛くなった」
「気温が寒くなって、体が冷えて風邪を引いた」
「笑っている人の近くにいると、なんだか楽しくなってくる」
そんな経験はありませんか?
良くも悪くも、今のあなたの状態は周囲の環境で成り立っています。人体の内部とは肉体や精神のこと、人体の外部とは住環境や人間関係、気候、他人の性格などを指します。人体の外部は、人体の内部と同じように、健康であるための重要な要素となります。
人体の外部において、重要なポイントとなるのは、自身でコントロールできるもの or コントロールできないものに分けることです。人体の外部でコントロールできるものに対しては、自分に合う環境へ周囲を変化させる必要があり、コントロールできないものに対しては、自分が順応する必要があります。
例えば、職場で威圧的な上司が自分へ多大なストレスを与えてくるときは、場合によって、自身が転職するなどの行動を起こし、自分のいる環境を変化させる必要があります。また、気温が寒い日であれば、温かい格好をするなどといったように体を冷やさない工夫をして、自身で寒さに順応する必要があります。
コントロールのポイントを見極める
コントロールできるかできないかを分けることが重要であると伝えましたが、あなたはなぜだかわかりますか?それは、コントロールできないことをコントロールしようとすることで悩む方がとても多いからです。
先ほど例に挙げた「威圧的な上司」ですが、あなたがどんなに努力してもこの上司の性格を変えることはできません。それなのに、優しくしてほしいから、一生懸命に仲良くなろうとしたり、上司の機嫌をとるために残業をしたりするのは、正直に言うと、エネルギーの無駄です。コントロールできないことをコントロールしようとするから、生きづらさを感じ、解決せずにずっと同じようなことで悩み続けます。
逆に言えば、この無駄に使っていたエネルギーを別の方向へ使うことができれば、もっと楽に生きることができます。場合によっては、何か大きなことも成し遂げられるかもしれません。
付き合う人や住む場所は自らの意思で変えることができますが、他人の性格や自然界は自らの意思ではどう頑張っても変えることはできません。もし、今あなたが悩んでいることがあれば、自分へ問いかけてみてください。
「その悩み、自分でコントロールできることですか?」
健康といわれると、どうしても人体の内部を意識してしまいますが、実は周囲の環境がとても大切です。特に、外部からの影響を受けやすいHSPにとって、整体観は長く健康に楽に生きていく上でとても重要な考え方となります。
最後に
いかがでしたか?
HSPの頭の中はたくさんの思考が巡り、身体と同様に頭の中も疲れやすいです。今回の紹介した陰陽論と整体観は、HSPの思考の整理もサポートしてくれます。漢方は、HSPの悩みを解決してくれるような手段や考え方がたくさん詰まっている素敵な学問です。学べば学ぶほど、生きやすくなるヒントが見つかります。
私と同じように「生きづらさ」で悩んでいる人へ
心も身体も楽になる漢方生活を一緒に送ってみませんか?