「腸活」に効く運動レシピ Part1
理学療法士&ピラティス指導者の長尾知香です。
いよいよ新型コロナウィルス感染症も、季節性インフルエンザと同じ「第5類」扱いに移行しました。今まで以上に、自分の健康は自分で守るスタンスが求められるかもしれません。
これから先、免疫機能に多大な影響を及ぼす腸の機能を健全に保つ「腸活」は、私たちには必須アイテムになりそうです。
「腸活」というと、発酵食品とか食物繊維など、話題が食に偏りがちですが、カラダの一部ですから、よく動いて働き、そして適度に休ませる必要もあります。そうなんです、「腸活」の3大要素は「食事」・「運動」・「睡眠」と言われています。
早速、この3大要素のうち、「運動」の正しく効果的なやり方について、共に学びましょう!(^^)!
「腸活」の仕組みや期待される効果を知ると、取り組みやすく・続けやすいでしょうから、今回はそちらをメインに解説し、「運動」レシピの方は1つだけをご紹介します。実践することが一番大事ですから、習慣として取り入れやすい運動を、全部で4つ厳選しました。次回のPart2で、更におススメの3つをご紹介します。
Contents
1. 「腸活」でココロもカラダも健全に
まずは、「やり方」の前に「あり方」です。「腸活」の目指すゴールである”腸が健全に機能する”とは、どういうことでしょうか?
腸内には、脳より多い約1億個の神経細胞があります。さらに特筆すべきは、人間の免疫細胞の70%が腸内(小腸に50%、大腸に20%)に集中していることです。これらの細胞たちを機能させるためには、当然、細胞が元気に活動できる腸内環境であることが大切です。
腸内環境の主人公は、腸内に存在する100兆個以上の細菌。この腸内細菌を、善玉菌優位なバランスに整えることで、腸内の神経細胞や免疫細胞を活性化し、他の器官とも連携して全身を健全に保ちます。もちろん、小腸での栄養の吸収および大腸での排泄もスムーズに機能させます。
そんな風に腸が元気に働いてくれると、当然、以下のような効果が期待されます。
免疫機能がアップ:感染症予防、アレルギー症状の改善など
前述の通り、たくさんの免疫細胞がいる腸内の環境が良ければ、たくさんの免疫細胞がしっかり働いてくれます。それによって、外から侵入してきたウィルスや細菌によって病気になるリスクを減らせます。また、免疫細胞の暴走であるアレルギー反応も改善できる可能性があります。
代謝機能がアップ:便通改善、肌荒れ改善、口臭予防、肥満予防
食べ物を消化~吸収~排泄までがスムーズになりますから、便秘や軟便などお通じの問題の改善はもちろん、悪玉菌による肌荒れ、口臭なども腸内環境が整うことで改善できる可能性があります。また、栄養をしっかり吸収し、滞りなく排泄できますから、太りにくく痩せやすい状態を作ることが可能です。
自律神経のバランスが整う:メンタル面の安定
ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンなど感情(気分)を支配する脳内神経伝達物質の素となる物質は、全て腸内細菌によって作られています。特に、幸せホルモンなどと呼ばれているセロトニンは、全身のなんと9割が腸内に存在し、腸の動き(ぜん動運動)を調整し、自律神経のバランスを整えています。腸内のセロトニンが、直接的に脳内に入ることは不可能なため、腸内細菌によって作られたセロトニンの素になる物質を血液中から取り込み、脳内でセロトニンが生成されます。そのため、腸内環境は、心や脳にも影響を与えるのです。
2.スムーズに動く腸で善玉菌を優位に
では、「運動」面から、善玉菌を優位にさせるために効果的な事って何だろう?というと、まず最適な腸のぜん動運動が挙げられます。食べた物の消化〜吸収〜排泄をスムーズに進められれば、当然、代謝も良くなりますから、腸内に排泄すべきものが残り異常発酵して生じる毒素や悪玉菌の増殖を防げます。もちろん、ぜん動運動が適度に起こることが大切で、動かなければ便秘、動き過ぎれば下痢になってしまいます。
程よい腸のぜん動運動を促すために有効な運動とは、内臓の動きを活発にする作用がある副交感神経にスイッチオンできる横隔膜呼吸と、加えて全身の有酸素運動となり代謝アップもできる「腸活」ウォーキングです。さらに、スムーズな排泄のために、しっかり便を外へ押し出すための適度な腹圧と、出口である肛門のスムーズな開け閉めに働く骨盤底筋群の機能も大切です。
3.「腸活」のための厳選された運動レシピ
さあ、いよいよ「腸活」に効果抜群かつ、日常に取り入れやすい、簡単な運動の「やり方」をご紹介します。今回は、まず一番簡単かつ即効性のある1つをご紹介します。ぜひぜひ、運動習慣にして、免疫細胞も腸内細菌もイキイキと働く「腸活」しましょう!
マッサージより効果的なドローイン!腹横筋のエクササイズ
ドローインとは、一言で言うとお腹を引き込むことです。お腹のインナーマッスルである腹横筋は、内臓に最も近い腹筋です。そして、ウェストが細くなるように、横方向にお腹を締めていきますので、縦方向にお腹を縮める腹直筋のように内臓を押し出しません。そのため、腹横筋に力を入れる・緩めるを繰り返すと、内臓にかかる圧力が変わることで腸が動かされ、しかも、手で押してお腹をマッサージするよりも腸全体に、効率的にぜん動運動を促すことが可能です。また、適度な腹圧がかかり、便をやさしく押し出すのにも最適です。ついでに、ポッコリお腹の改善にも役立ちますから、一石二鳥、いや三鳥ですね。
①息を吸って準備。
②少し口をすぼめて、しっかり細く長く(10秒以上かけて)吐きながら、手で触れているお腹の表面部分が、背中の方へ近づくように、お腹を内側に引き込んでいく(ドローイン)。
*1回あたり2~3分程度、1日2~3回行うとよいでしょう。また、空腹時・満腹時は避けた方がよいでしょう。
梅雨入り前の、運動には最適な季節。
さあ、皆さんも「腸活」でずっと元気な腸と神経・免疫機能をゲットし続けましょう!(^^)!
Part2の次回は、もうちょっとコツのいる運動を、正確に行えるように細かくご紹介します。
今回ご紹介した内容についてご質問や、ご紹介したエクササイズを実践した感想など、コメント欄からぜひお聞かせください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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