こんにちは。サロン結香の矢澤ともみです。今年は酷暑の夏ともありましたが、肌寒さもでてきて季節も変わってきました。秋から冬にかけて、空気の乾燥がでてきたり、気持ちの面でも、もの悲しさを感じやすいかもしれません。
今回は、これからの時期、喉の養生として台所にあると便利な、養生食と陳皮の活用法をご紹介します。
まずは陳皮について
最近は、スーパーのスパイス売り場でもみかけるようになった陳皮。これは、温州みかんの皮を干したものです。時にはスパイスにも使われ、時に漢方薬にも配合されていたりします。
名称に使われている「陳」は、古いという意味合いがある漢字で、みかんの皮を寝かせて作られたもの。
陳皮がもつ特徴の一つといえば、フレッシュな柑橘の香り!皆さんも、みかんやオレンジの香りで、ぱっと気分が明るくなった経験があったりしませんか?この陳皮ならではの「香り」は、時にお料理の美味しさを増してくれます。個人的には時間をかけて乾燥させた陳皮のほうが、さわやかな香りの中に力強さがどっしりでてくるように感じます。
こちらの写真は、去年の冬、はじめて自宅でつくった陳皮(左)と、お店で販売している陳皮(右)。色を比べてみてもわかるくらい、違いがありますよね。
さらに、両方の陳皮を、指でパキッっと割ってみると、香りの強さや重さまで違っていたのです。自作の陳皮は、天日でパリッと乾燥させたあと、瓶に乾燥剤をいれて楽しみに寝かせつつ保管しています。
今年の冬も、こつこつとみかんを食べて、陳皮づくりに励みたいと計画中。
陳皮の使い方が豊かになったできごと
漢方を学びはじめたころ、使い方が今一つわからなくて、薬膳茶を作るときにしか出番がなかったのです。ですが、一人の料理家の先生と出会い、陳皮が食生活のなかに、やんわりと溶け込んでいったのでした。
その先生は、北京出身の先生。医食同源が本場の中国では、家庭料理に手軽につかいお料理の隠し味や、ソース、デザートにもつかっているとのこと。実際に先生のお料理をいただいてみると・・
特別な材料と思っていた陳皮が、だんだんと私の自炊生活にも身近な食材にかわっていきました。
こちらは、ソースで使った時。焙煎していないゴマ油に、少しの塩と陳皮を混ぜ合わせて、蒸したレンコンに絡めたもの。
秋は季節柄、肺に負担がかかりやすい季節。似類補類(にるいほるい)という言葉があるように、形が似ているものを食べると、その臓器を養うことにつながるという考え方があります。
レンコンを輪切りにスパン!と切って、よくみると・・・「肺(肺胞)」に形が似ていませんか? 先人の智慧や経験からくる観察力って、あらため素晴らしいな~と思います。
次は、脂っこいものを食べて胃もたれがある朝、大根をいれたお粥に陳皮をトッピングして消化力サポートに使っています。
陳皮をいれるタイミングは、出来上がってから。一緒に煮込んでしまうと、フレッシュなの香り(芳香成分)がとんでしまいますのでご注意を。
秋の養生食!陳皮を使った大根飴のレシピ
それでは、最後にご紹介する活用法は、秋の養生食にもなる「大根飴」のつくり方。
秋は喉も乾燥しやすく、長引く喉のイガイガやごわごわした感を経験したことありませんか?大根飴は喉の痛みをやわらげ、陳皮を少し足すことで、喉のごわごわ感も緩和に。
風邪が流行る秋は、風邪ひきそうと感じたら養生のタイミングが大切です。この大根飴は、あれ?と違和感がでたときや、咳風邪の治りかけに私自身も助けられている養生食なんですよ。
つくり方は、とても簡単!
大根飴の材料
・大根
・はちみつ
・陳皮
大根飴のつくり方
- 大根の皮をむいて、薄めのいちょう切りにする。
- 容器に切った大根をいれ、はちみつを全体的にからめる。
- 陳皮を適量いれて、冷蔵庫で半日くらい寝かせる。
- 全体的に混ぜあわせて、できあがり。
喉に痛みがあるときは、染みでた水分をやや温かいお湯で割って飲んでいます。もちろん最後は大根も美味しくいただいております。
※陳皮は体を温める特徴があります。炎症が強い時や、体に熱がこもっている時は少量にするかお休みをしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?陳皮のフレッシュな香りは、気持ちの詰まりやイライラ感を、発散させたり、または、気持ちが沈みがちな時、ほっと心の芯から温めてもらえました。
心の養生としても、あると助かる食材です。
昔から、台所は薬箱とよばれるように、秋の特徴にあわせてストック食材をかえることも、季節の養生になります。そろそろ、乾燥の季節も本番!
今度の休日は台所のストックを見直してみていかはでしょうか?
それでは、次回も元気にお会いしましょう。