秋の薬膳 参鶏湯風 補気スープ
こんにちは。薬剤師、国際中医師の富岡みほです。処方だけではない漢方の世界の奥深さをお伝えします。
秋の養生、五臓の「肺」の働きとは
秋は夏の疲れを癒やし冬に備える季節です。
陽の気も少なくなり、陰の気も増えてきます。空気は乾燥し、冷気も運んできて朝晩急に冷えて身体がついていかず、くしゃみ、鼻水が出たり風邪をひきやすいなど、気候の変化で冷えも感じる方も増えてますね。
そんな秋は、乾燥させないことが大事!夏にたっぷり汗をかいて体はカラカラ、水分不足ぎみ!呼吸器、肌も乾燥しバリア機能が弱くなってます。
鼻や呼吸器をコントロールしている、「肺」を整えていくのがポイントです。
そんな今の時期にオススメなのが、夏に消耗したエネルギー(気)を回復させる
手軽にできる参鶏湯スープです。薬膳素材を入れて煮込むだけ!
高麗人参は滋養強壮だけでなく、「肺」の気を補い、渇きを潤す作用があるので、秋の養生にもオススメです。
気血を補うなつめ、腎を補い滋養強壮のクコの実などプラスしたら、夏の疲れを癒やし、冬に備える秋の養生になりますね!
薬膳素材以外、秋は白い食材などもオススメです。
スープにネギをたっぷり入れ、レンコンなども刻んで入れてみるのもいいですね。
高麗人参、なつめ、クコの実の薬膳
高麗人参
【帰経】心・脾・肺
元気を補う生薬といえば、高麗人参!疲労回復、滋養強壮作用の他に、食欲不振、軟便気味などにも良いとされ、渇きを潤す作用も!汗をかきすぎた後にもおすすめ。
なつめ
【帰経】心・脾
気血を補うなつめ。栄養補給の他、胃腸を整えながら心身リラックスにも!貧血気味の方やストレスで、イライラしたり、不安で眠れない方にもおすすめ。
クコの実
【帰経】肝・肺・腎
血を補い、身体を潤し、老化を予防!疲れ目、足腰だるい、耳鳴りなど老化が気になるときにおすすめ。
クコといえば、杏仁豆腐の上に載っているイメージの方も多いのでは。デザート以外もサラダやスープのトッピングにもおすすめです。乾燥の気になるこれからの季節はたっぷり取ってみては。
参鶏湯風!秋の薬膳スープの作り方
材料
骨付き鶏肉(手羽元) 8本
長ネギ 1本〜2本
水 具材がかくれるぐらい 約1,000mL
しょうが 1片
にんにく 3片
なつめ 5個ぐらい
クコ 大さじ3
生の高麗人参 1本
(乾燥した高麗人参でも可)
(A)塩 小さじ1
(A)鶏がらスープ 小さじ2
(A)日本酒 大さじ1
もち米 1/4合
(普通のお米でも可)
作り方
①鶏手羽元の骨にそって切り込みをいれ、塩コショウをふります。
②鶏手羽元、青い部分のねぎ、なつめ、くこ、高麗人参、しょうが、にんにくを重ねて入れ、具材がかくれるぐらいまで水を入れる。
③いったん中火で煮立てアクをとる。ここでアクは取りすぎないように!
④(A)の調味料、もち米を加えて弱火で40分煮込みます。
⑤ごま油と小ネギを加えて、お好みで塩をプラスして味を整えて完成です。
●作り方の注意点
◉具材を煮込む際、アクは取りすぎないでください!高麗人参の成分はサポニン=泡なので、取りすぎ注意です。良い成分がなくなってしまいます。
◉薬膳素材はお好みで増やしてみても良いでしょう。クコは煮込み後半で入れた方が彩りが良く仕上がります。