滋養強壮薬膳中華おこわ
漢方カウンセラーの星川美由紀です。“キッチンから健康に”をモットーに、お家でできる食養生をお伝えしています。
日毎に寒さが増し日照時間も短くなってきましたが皆様おかわりありませんか?これからクリスマスや年末年始と行事が続き、親しい方とご自宅で食卓を囲むことが多くなる時期だと思います。
今日はそんな集まりに、簡単に作れて作り置きができる冬の食養生によい一品をご紹介いたします。
冬は養い蓄える季節
冬の食養生として、中国では「三九補一冬、来年無病痛」と云い、「冬至の日から3 × 9=27日の間に十分なエネルギーを蓄えておくと次の年は病気にかからない」という考え方があり、冬至の日から約一ヶ月の間は滋養のあるものをしっかり食べて体を疲れさせないように暖かくして過ごします。
自然界でも同じような営みがみられます。植物は葉を落とし土の栄養に変え、動物たちは冬に入る前に食べ物を確保したり体力を温存するよう静かに過ごします。冬眠する動物もいますね。翌春をスムーズに迎えられるため冬の間にエネルギーを蓄えておくことはとても重要だと植物も動物たちも知っているのでしょう。
私たち人間も自然の法則に沿った生活を心がけることで体にかかる負担は少なくなり健康でいられるようになります。
冬の薬膳のポイントは
❶冬の寒さに弱い五臓の「腎」を養う黒い食材
黒米、黒豆、黒ごま、黒キクラゲ、椎茸、昆布、ひじき、海苔など
❷腎を養う鹹味(かんみ)の食材
鹹味(かんみ)とは塩味のことですが、海のミネラルを含んだ食材、牡蠣、帆立、海老、ひじき、昆布、若芽などの海藻類を含みます。
❸滋養強壮の食材
山芋(長芋)・ゆり根・蓮根・銀杏・はすの実
❹体を温める食材
生姜・ねぎ・わさび・胡椒・唐辛子・山椒・シナモン・なつめ・高麗人参・肉・鮭・海老
薬味や香辛料となる食材はとても体を温めるので皆さんの体質やその日の体調によって食べる量を調整しましょう。肉の中では羊肉が1番体を温める力が強く、骨つき肉は腎に良いので冬におすすめです。
今年はの冬至は12/22 です。冬至から27日間上記の食材を意識して献立に取り入れてみてはいかがでしょう?
これからご紹介する「薬膳中華おこわ」には冬の体を支えてくれる食材が多く使われているので冬の食養生にぴったりです。
【薬膳中華おこわ】
材料
- もち米 3合
- 豚肉 100g
- 干し椎茸 3枚
- 干し海老 大さじ3
- 昆布 約2×5㎝
- 蓮根 1/3本
- 人参 1/4本
- はすの実 10個
- 銀杏 10個
- ゆり根 10片
- 黒キクラゲ 3個
- 松の実 大さじ1〜2
- くこの実 大さじ1
はすの実、銀杏、ゆり根、黒キクラゲ、松の実、くこの実はお好みで、それそれ量は目安なので加減して入れてください。
はすの実・ゆり根(乾燥)を使う場合は1時間以上水につけて戻しておきます。
調味料
・A:生姜汁 小さじ1
醤油 小さじ1
酒 小さじ1
・B:酒 大さじ2
醤油 大さじ2
塩 小さじ1
砂糖 小さじ2
・油 大さじ2
・中華スープ 1カップ
作り方
- もち米は洗って30分〜1時間程度浸けたらザルにあげて水をきる。
- 豚肉は1㎝程度に切りAを入れ、もみ込んでおく。
- 蓮根、人参は1㎝角に切る、水で戻した椎茸と昆布も1㎝角に切る。
- 深めのフライパンに油を熱し②を入れて炒め、次に③とお好みの食薬(くこの実以外)を入れて炒める
- さらに①のもち米を入れて炒め、中華スープとBを入れ、汁気がなくなるまで中火で炒める。
- 蒸し器にクッキングペーパーを敷き、その上に⑤を入れて真ん中をドーナツ状に開け20分間蒸す。(20分蒸してみてもち米が固かったら追加で柔らかくなるまで蒸す)
- 蒸しあがったらクコの実を入れて、火を止め10分程度そのまま蒸らして完成です。
どうですか?難しく思われがちな中華おこわですが思ったより簡単ではないでしょうか?
これまで私の薬膳中華おこわを食べた方は皆さんとても喜んでくださって、これがお家でできるの?と、随分多くの方にレシピを聞かれて伝授してきました。持ち寄りパーティやおもてなしの1品に大人気になること請け合いです。是非一度作ってみてください。
体を温め滋養たっぷりな薬膳中華おこわで寒い冬を乗り切ってくださいね。